なぜ話し合いは立場と条件を示すの?

小5国語で、参加する人の立場と意図を示し、条件に沿って話し合う方法を学びます。自作の校内展示の相談を使い、作る側と読む側が大切にすることを関係図で整理します。三つの練習で案のつなぎ方と決定後の記録を確かめます。
こたえ
立場と条件を示すと、それぞれが何を大切にしているかを確かめ、目的に合う案を一緒に作れるからです。意見を出す順と決める観点をそろえ、考えを広げてからまとめます。
表でみる
| 立場 | 意図 | 案を考える条件 |
|---|---|---|
| 展示を作る側 | 準備した内容を伝えたい | 準備の時間を使える |
| 展示を読む側 | 知りたい内容を探したい | 通りながら読める |
| 相談する全員 | 学んだことを伝え合いたい | 見出しと説明の役割を決める |
わけを考えよう
話し合う目的と決めることを分ける
学習内容を整理すると、話し合いの立場は話題についてどんな考えを持つか、意図は何を達成し、どんな方法で話し合うかを明らかにすることです。語句を囲んだり線で結んだりする図は、情報の関係を整理する方法です。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。学級で、調べたことを廊下に展示する自作の相談を考えます。目的は、学んだことを他の学級の人へ伝えることです。今回決めるのは、見出しと説明をどう配置するかです。目的は話し合い全体の方向を示し、決めることは今扱う話題の範囲を示します。二つを最初に確かめると、意見が広がったときにも話題へ戻れます。 進める順を、条件の確認、案の説明、質問と比較、案のまとめ、次の作業の確認に分けます。初めに、使える紙の大きさと準備の時間を確認します。その上で、案を出す時間と案を選ぶ時間を分けて考えます。案を広げる段階ではいろいろな方法を挙げ、まとめる段階では目的と条件に照らして理由を付けます。

立場と意図を言葉にする
展示を作る側の人は、調べた経緯も伝えたいと考え、説明を詳しく書く案を出しました。読む側の立場で考える人は、通りながら内容を探したいと考え、大きな見出しを付ける案を出しました。ここで立場は、どの側から見ているかです。意図は、その側から何を実現したいかです。立場と意図を添えると、案を選んだ理由が分かります。 同じ人が、作る側と読む側の両方から考えることもできます。「作る側として調べた経緯を示したいです。読む側から見ると、最初に結論が分かる配置が役立ちそうです」と話せます。人を固定した二つの組に分ける方法に加え、見方を切り替える方法も使えます。相手がどの見方で話しているかを聞き、その意図を確かめます。
関係図で意見の理由をつなぐ
紙の中央に「学んだことを伝える」と書き、左へ「調べた経緯」、右へ「知りたい内容を探す」を置きます。それぞれの近くに「詳しい説明」「大きな見出し」の案を書き、理由と案を線で結びます。関係図は、出た順に意見を書くメモとは別に、目的、意図、案のつながりを見える形にするために使います。 図にした後、「大きな見出しの下に短い結論を置き、詳しい経緯は次の段に書く」という案を作れます。二つの案を合わせるときには、それぞれの意図がどこに生かされるかを説明します。単に詳しい文と大きな見出しを詰め込む方法から進め、読む順番や紙の大きさに合わせて、情報の役割と配置を選びます。
条件を使って案を比べる
まとめる段階では、使える紙の中へ収まるか、準備の時間で作れるか、読み手が内容を探せるかという観点で案を比べます。関係図の案に「読み始める場所が分かる」「説明を分けて書ける」などの理由を添えます。条件がいくつかあるときは、先に確かめる条件と、後で調整する条件を参加者で相談して決めます。 司会は「今は見出しと説明の配置を比べています」と話題を示し、記録役は案と理由を組にして残します。参加する人は、自分の案だけを繰り返す方法から進め、「その案なら調べた経緯をどこへ書きますか」のように相手の意図と条件をつなぐ質問ができます。質問への答えを受け、図や比較のメモを更新します。
決めた内容と残る仕事を確認する
話し合いの終わりには「大きな見出し、短い結論、詳しい経緯の順にする。読む人が内容を選びやすく、作る人も経緯を伝えられるから」と、内容と理由を一緒にまとめます。さらに、誰が見出しを考え、誰が説明を整え、いつ読み合うかを相談します。決定と、確かめる作業を分けて記録すると次の行動につながります。 一人で学ぶときは、作る側と読む側の二役で意見を書き、各意見に意図を添えます。次に、共通する目的へ線を引き、条件を満たす組合せ案を一つ作ります。最後に、選んだ理由と次の確かめ方を書きましょう。話し合いの記録は、意見の数と、考えがどのようにつながり、まとめられたかをたどるために使えます。 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 第5学年及び第6学年 国語には「互いの立場や意図を明確にしながら計画的に話し合い,」とあります。
もっと知りたい人へ
立場を替えて考える方法は、提案文を読み返すときにも役立つので、書く側が伝えたいことと、読む側が探したいことを比べて配置を選びましょう。相談した案を実際に試した後は、目的に合っていた点と、次に工夫する点を記録し、その記録を次の話し合いの材料へつなげられます。この学びを、中学校の互いの発言を結び付けて考えをまとめる学習から、高校の「現代の国語」で論点を共有し結論の出し方を工夫する学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
展示を作る側と読む側が、この例で大切にしていることをそれぞれ書きましょう。
こたえを見る
作る側は調べた経緯を伝えること。読む側は知りたい内容を探すこと。
同じ展示を、異なる立場と意図で見ています。
問題2
大きな見出しと詳しい説明の両方を生かす配置案を書きましょう。
こたえを見る
大きな見出しの下に短い結論を置き、次の段に詳しい経緯を書く。
それぞれの情報の役割と読む順を考えます。
問題3
案を決めた後、次の作業のために記録することを二つ挙げましょう。
こたえを見る
例:担当する人と、読み合って確かめる日。
決定だけでなく、実行と確認の進め方も記録します。
よくある質問
立場は人ごとに決まる?
一人が作る側と読む側の両方から考えられます。今どの立場で、何を大切にして話すかを示します。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 A 話すこと・聞くこと (1)オ/知識及び技能 (2)イ(「互いの立場や意図を明確にしながら計画的に話し合い,」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF140頁
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF129頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF33頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF36頁