なぜたとえと繰り返しで感じ方が変わるの?

小5国語で、思考に関わる語句と比喩・反復の表現を学びます。自作の橋作りの場面で、比較と推測を言葉にし、語の組立てや語感を確かめます。音読の仕方を変えて表現の効果を考え、三つの練習で使い方を説明します。
こたえ
たとえは似ている様子を結び付け、繰り返しは心に留めたい言葉を目立たせるからです。何を伝えたいかを決めて、語句と声の調子を選びます。
表でみる
| 見るところ | 内容や働き |
|---|---|
| 比較する | 同じ点と違う点を取り出す |
| 推測する | 手掛かりから考える |
| 糸のような橋 | 細い形を別の物にたとえる |
| 少しずつ、少しずつ | 進み方への注目を重ねる |
わけを考えよう
同じ場面を二つの言い方で表す・共通点を言葉にする
学習内容を整理すると、比喩は別のものにたとえる表現、反復は同じ表現や似た表現を繰り返す工夫です。語感は、言葉の適切さや美しさ、柔らかさ、リズムなどを感じ取る感覚です。朗読では、内容を踏まえた自分の思いや考えを、声の表現を高めて伝えます。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。ここでは、紙の帯を使って模型の橋を作る、自作の場面を考えます。「橋が細い」と「橋は糸のように細い」を読み比べましょう。どちらも橋の細さを伝えています。後の文は糸という身近な物を重ね、細く伸びる形を思い描く手掛かりを加えています。比喩(たとえ)は、ある物や様子を別の物や様子と結び付けて表す工夫です。 たとえを作るときは、二つの物のどの部分が似ているかを考えます。「橋は糸のようだ」なら、細さ、長く伸びる形、頼りなさなど、注目する点を選べます。この場面では細さに注目しています。「糸のように細い」と書くと、その点が伝わります。たとえる物を輪に変えて「輪のように丸い橋」と書けば、思い描く形も変わります。

反復を読み比べる・比べる考えを語句で示す
「橋を少しずつ伸ばした」と「橋を少しずつ、少しずつ伸ばした」も比べます。同じ語句を繰り返す工夫を反復といいます。後の文では、ゆっくり作業を進める様子に、読み手の目や耳を向けられます。「伸ばした、伸ばした」と動作を重ねれば、作業の続く感じに注目できます。どの言葉を重ねるかによって、文の中心も変わります。 自分の考えを整理する語句も使ってみます。二つの橋の形を比べるときには「比較する」、観察から今後を考えるときには「推測する」と表せます。「幅を比較した結果、こちらの橋が広いと分かった」は、比べた観点と結果を示します。「紙がたわんだので、重い物を置くとさらに曲がると推測した」は、手掛かりとそこからの考えを分けています。
語句の仲間と組立てを見る・語感を確かめる
「比較」と「対比」は、比べて考える場面で関わりのある語です。自分の文で使うときは、辞書の意味と用例を確かめて選びます。「再確認」は「再」と「確認」を組み合わせた語で、もう一度確かめることを表します。「確認する」と「再確認する」を使った文を並べると、語の一部が加わることで、行動の回数の捉え方が変わると分かります。 「橋がゆらゆら揺れる」と「橋がぐらぐら揺れる」は、同じ揺れる動きを表していても、受ける感じを比べられます。模型を前にした自分なら、どちらを選ぶでしょうか。小さな揺れ、土台の揺れなど、見た様子を先に説明し、合う語句を考えます。言葉から受ける感じを語感と呼びます。友達と選んだ語句と理由を交換すると、感じ方の違いにも気付けます。 語が組み合わさるときの音にも目を向けます。文部科学省の解説は、「花+畑」で「ハナバタケ」となる音の変化を例にしています。「はたけ」が、組み合わせた語では「ばたけ」となる部分を比べましょう。「花」と「畑」を別々に読んだ場合と「花畑」を読んだ場合を紙に書き、変わった音に印を付けます。
声に出して意味をたどる・表現を選び直す
音読では、書かれた言葉を正確に声へ移し、文の意味を確かめます。朗読では、内容を理解した上で、聞く人に情景や気持ちが届く読み方を考えます。「少しずつ」の間を短くした読み方と、少し間を置く読み方を試しましょう。ゆっくりした動きに注目してほしいなら、語句の間の取り方を工夫できます。工夫した理由も内容と結び付けて説明します。 説明として模型の形を正確に伝える場面なら、「幅の狭い紙の橋」と書く方法もあります。作っている人の緊張を物語で伝える場面なら、「糸のような橋を、そっと、そっと運んだ」という自作の表現を考えられます。目的が決まると、形の情報を詳しくするか、気持ちを想像できる語句を選ぶかを判断できます。工夫は、伝えたい内容と組にして使いましょう。
自分の読みを記録する
紙に、元の文、選び直した文、選んだ理由の順で書きます。次に二つの文を声に出し、どの語に自然と力が入ったかを記録します。一人で学ぶときは時間を置いて再び読み、同じ情景を思い描くかを確かめられます。読み方が変わったときも、そのとき注目した内容を説明すれば、表現を考え直す手掛かりになります。 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 第5学年及び第6学年 国語には「比喩や反復などの表現の工夫に気付くこと。」とあります。
もっと知りたい人へ
表現の名前と効果を結び付けると、物語の読み方にも生かせます。たとえられた二つの物の共通点を探し、繰り返された語がどんな場面で現れるかを読む練習へ進みましょう。この学びを、中学校の比喩や反復などの技法を理解して使う学習から、高校の「現代の国語」で比喩や言い換えなどを理解して使う学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
「橋は糸のように細い」は、橋のどんな点に注目した比喩ですか。
こたえを見る
細さ。
糸と橋の共通点を、後ろの「細い」から捉えます。
問題2
「少しずつ、少しずつ伸ばした」に用いられた工夫と、注目させたい様子を書きましょう。
こたえを見る
反復。ゆっくりと作業を進める様子。
同じ語句の繰り返しと、場面の動きを結び付けます。
問題3
「確認」と「再確認」の意味の違いを、「再」の働きに注目して説明しましょう。
こたえを見る
再確認は、もう一度確かめることを表す。
語の一部が加わることで、確かめる行動を捉える意味が変わります。
よくある質問
学んだことをどう確かめる?
自分の文で、選んだ語句と理由を説明し、本文の例と比べます。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 知識及び技能 (1)オ・ク・ケ(「比喩や反復などの表現の工夫に気付くこと。」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF126頁
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF124頁
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF127頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF32頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF35頁