なぜ読書の感想を比べると考えが広がるの?

小5国語で、読んで理解したことを基に考えをまとめ、感想を共有する学習を行います。挑戦と協力を扱う二つの自作短文を読み、根拠の場面と意見を組にします。読書記録を残し、三つの練習で読みの広がりを確かめます。
こたえ
同じ文章や別の文章への感想を比べると、自分が注目した場面に新しい見方を加えられるからです。理解した内容と自分の考えを分け、根拠を添えて交流します。
表でみる
| 見るところ | 内容や働き |
|---|---|
| 内容 | 文章で何が起きたか |
| 根拠 | 考えを支える場面や言葉 |
| 自分の考え | 何を大切だと受け止めたか |
| 交流後 | 加わった見方と次に読みたいこと |
わけを考えよう
二つの自作短文を読む
学習内容を整理すると、読書は、多様なものの見方や考え方に触れ、自分の考えを広げる手掛かりになります。読んでまとめた意見や感想を共有すると、自分の考えを広げる学習になります。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。短文A「小さな車輪」では、ある子どもが紙の車を作ります。「大きな車輪を付けると車体が傾いた。子どもは車輪を少しずつ小さくし、動いた距離を記録した。次の日も同じ台で試した。最後に、よく動いた大きさへ丸を付け、『試した記録が次の工夫を教えてくれた』と書いた。」短文B「となりの机」では、別の子どもたちが橋の模型を作ります。「一人が細い柱を並べ、もう一人が橋の上を軽く押した。橋がたわむと、二人は柱の位置を見た。『ここへ一本足そう』という提案を一緒に試した。橋の上に紙の人形を置き、二人は『見る場所を分けると、工夫が見付かるね』と話した。」どちらもこの教材の創作です。まず、Aは記録を使った工夫、Bは二人で見る場所を分けた工夫と、文章で起きたことをまとめます。その後、自分がどこに心を引かれたかを選びましょう。

内容から自分の考えを作る
Aを読んで「試したことを残すと、次の挑戦へ進める」と考えたなら、車輪の大きさを変えて距離を記録した場面を根拠にできます。Bから「協力すると、違う場所へ目を向けられる」と考えたなら、一人が柱を並べ、もう一人が橋を押す場面を挙げられます。文章に書かれた内容は、人物が記録を取ったことや、二人で模型を見たことです。そこから何を大切だと受け止めたかが、自分の考えになります。読書記録の欄を、題、気になった場面、自分の考えに分けて書くと、その関係を残せます。「面白かった」と書いた場合も、どの工夫や言葉に面白さを感じたかを加えましょう。一文を選んで理由を添えると、読んだ人どうしが話し合う手掛かりになります。作品の内容を自分の経験と結ぶ場合は、まず作品の場面を説明してから、自分の経験へ進みます。
別の感想を比べて取り入れる
感想の交流例も自作です。ある読み手は「Aは記録を大切にしている」と述べ、別の読み手は「次の日も同じ台で試すので、条件をそろえる姿にも注目した」と述べました。後の見方を聞くと、記録を取ることに加え、比べる条件をそろえる工夫も考えられます。Bについては、「二人が協力した」という感想と、「提案を聞いた後で一緒に試したところがよい」という感想が考えられます。二つを合わせると、役割を分けることと、相手の考えを行動に移すことへ目を向けられます。交流では、相手が挙げた場面へ戻り、自分の感想と共通する所、新しく加わる所を示しましょう。「私は記録に注目していた。条件をそろえるという見方を聞いて、試す方法も大切だと考えた」とまとめると、どの言葉が自分の考えを広げたかを説明できます。
日常の読書へつなげる
交流した後、二つの短文を合わせて「記録を残すことと、相手の提案を一緒に試すことが、工夫を続ける手掛かりになる」と考えられます。これは二つの文章を読んでまとめた自分の意見です。次に読む本を選ぶときは、「ものを作る人の工夫」「友達と相談する場面」「試した記録」といった関心を使えます。物語から、作り方の説明や、経験を振り返る文章へ読む範囲を広げる方法もあります。実際の読書記録には本の題と読んだ日、選んだ場面、感想、交流して加わった考えを書きます。家族へ短く紹介したり、友達と記録を見せ合ったりすると、次の本を選ぶ問いが作れます。「二人が意見を選んだ理由をもっと知りたい」など、自分に残った問いも記録しましょう。読み終えた考えと次に読みたいことをつなぐと、日常の読書を続けながら、自分の見方を育てられます。 文部科学省 小学校学習指導要領 国語 第5学年及び第6学年には「自分の考えを広げること。」とあります。 学校図書館などで、同じテーマを扱う本を二冊、または本と新聞を探し、調べたことを報告する活動にも進みます。これはこの教材の活動案です。まず自分が調べたい問いを一つ決め、それぞれの資料名、書き手、発行年、読んだページを記録します。二つの資料で同じことを述べている箇所と、違う観点から説明している箇所を抜き出し、事実・書き手の考え・自分の考えを分けて整理します。調べた結果を「問い、使った資料、分かったこと、自分の考え、さらに確かめたいこと」の順で短く報告し、どの資料に基づく説明かを示します。資料で確かめた内容と自分の推測は分けます。(活動の対応:文部科学省小学校学習指導要領 国語 C(2)ウ PDF40頁(冊子38頁))
もっと知りたい人へ
中学校第2学年では、観点を明確にして文章を比較するなどし、文章の構成や論理の展開、表現の効果について考えます。読書記録に交流前と交流後の考えを残す方法が、自分の見方の変化を振り返る手掛かりになります。この学びを、中学校の様々な立場や考え方を読書に生かす学習から、高校の「言語文化」で読書の意義や効用を理解する学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
短文Aで、次の工夫の手掛かりになったものは何ですか。
こたえを見る
試した記録。
車輪の大きさと動いた距離を記録し、よく動いた大きさを選んでいます。
問題2
短文Bから協力のよさを考えるとき、根拠にできる場面を一つ書きましょう。
こたえを見る
例:柱を並べる人と橋を押す人に分かれ、柱を足す提案を一緒に試した場面。
協力を表す具体的な行動を挙げます。
問題3
Aについて「条件をそろえる姿にも注目した」と聞いた後、考えの広がりを一文で書きましょう。
こたえを見る
例:記録を残すことに加え、同じ台で試して比べる条件をそろえる工夫も大切だと考えた。
交流で加わった見方を、本文の場面と結び付けます。
よくある質問
一人でどう振り返る?
本文の具体例と自分の説明を並べ、どの言葉を根拠に考えたかを確かめます。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 C 読むこと (1)オ・カ/知識及び技能 (3)オ(「自分の考えを広げること。」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF135頁
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF154頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF35頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF38頁
- 文部科学省 小学校学習指導要領 国語 高学年C(2)ウ・複数の本や新聞を活用した調査報告
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 第2学年C(1)エ 冊子34ページ〔PDF36ページ〕