なぜ同じ文でも区切り方で伝わり方が変わる?

なぜ同じ文でも区切り方で伝わり方が変わる? 声の区切りや強さが、言葉のまとまりと話し手の意図を聞き手へ伝えるからです。 身近な場面の短文を比べ、言葉と意味のつながりを確かめます。表と三つの練習を使い、自分の言葉で理由を説明する中学一年の
こたえ
声の区切りや強さが、言葉のまとまりと話し手の意図を聞き手へ伝えるからです。
表でみる
| 見るところ | 確かめること |
|---|---|
| 区切り | 時・場所・行動のまとまりを探す |
| 強調 | 伝えたい中心の語を選ぶ |
| 高低 | 語と文全体の調子を聞き比べる |
わけを考えよう
「明日、図書室で、本を紹介します」を声に出すとき、どこで少し間を置くでしょう。「明日」は時、「図書室で」は場所、「本を紹介します」はすることを表します。意味のまとまりを声の区切りに合わせると、聞き手は時と場所と行動を順に受け取れます。声で伝える文には、文字の読点に似た手掛かりがあります。まず伝える内容を小さなまとまりに分け、そのまとまりを最後まで読んでから次へ移る練習をしましょう。

区切りは息を吸う場所だけを表すものではありません。話の内容が一段落したこと、次に大切な話へ進むことも間で示せます。例えば「持ち物は二つです」のあとに一拍置いてから、持ち物を一つずつ伝えると、聞き手は数に注意を向けられます。声の速さが同じでも、内容の切れ目に短い間があると、聞き手は受け取った情報を整理できます。実際の発表では、相手の表情を見ながら間の長さを調整してみましょう。
強さや高さにも働きがあります。「今日は本を二冊借りました」で「二冊」を少し強く読むと、冊数が大切だと伝わります。「今日は」を強く読むなら、ほかの日と比べて今日の話をしていると受け取られることがあります。強調する場所は、伝えたいことに合わせて選びます。文中の全ての語を同じように強く読むより、一つのまとまりの中から中心となる語を選ぶと、聞き手が注目する場所をつかみやすくなります。
アクセントは語の中での音の高低の型です。文全体の上がり下がりをイントネーションと呼びます。疑問を伝える文と、確かめたことを落ち着いて報告する文とでは、終わり方を変えて読めます。地域によってアクセントの型が異なる語もあります。声の特徴を比べるときは、それぞれの地域の話し方を大切にし、どんな意味や気持ちが伝わるかを聞き取ることを中心にしましょう。声の違いを意味の違いと結び付けて考えるのが、この学習のねらいです。
自分で試すなら、学校の行事を紹介する二文を作り、紙に斜線で区切りを書きます。第一回は時や場所を強調し、第二回は行事の楽しさを強調して読んでみましょう。聞き手には、聞こえた内容を短い言葉で返してもらいます。話し手が強調したつもりの語と、聞き手が大切だと思った語を比べると、声の工夫の結果を確かめられます。録音を使える場面なら、同じ文を聞き直して、速さと区切りの両方を点検できます。
発音を整えるには、姿勢を楽に保ち、語の終わりまで丁寧に言う練習も役立ちます。短い文を選び、意味をつかんでから声に出すと、どこをつなげ、どこを区切るかを判断できます。声の大きさは部屋の広さや相手との距離に合わせます。遠くの相手へ届ける場面と、近くで相談する場面では適した声が変わります。文字を読むことと聞き手へ話すことを行き来して、相手が受け取りやすい声を探してみましょう。
一人で練習するときは、聞き手が初めて内容を聞く場面を想像します。時や場所を伝えたところで間を置き、次の動作へ進む声を選びます。二度目は区切りの位置を一つ変え、どちらが内容に合うかを自分の言葉で説明すると、読み方を選んだ理由も確かめられます。
学習指導要領では「音声の働きや仕組みについて,理解を深めること。」と示されています。ここで使う短文や場面は、この学習のために作った例です。
もっと知りたい人へ
声の工夫は、詩の朗読や説明の発表につながります。詩では同じ語の繰り返しに注目し、説明では中心となる情報に注目すると、読み方を選ぶ理由がはっきりします。先に「相手へ何を届けたいか」を短い言葉で書き、声に出したあとでその言葉と照らし合わせてみましょう。意味を理解して声に表し、その声を聞いて意味を確かめる往復が、音声の働きをつかむ練習になります。
やってみよう
問題1
「来週/校庭で/観察します」の三つのまとまりは何を表す?
こたえを見る
時・場所・すること。
文の情報の役割と声の切れ目を対応させます。
問題2
「今日は三人で調べた」で人数を伝えたい。どこを強調する?
こたえを見る
三人。
相手に注目してほしい情報を声で示します。
問題3
発表の声を見直すため、聞き手に何を尋ねる?
こたえを見る
大切だと感じた言葉と、内容の切れ目が分かった箇所。
話し手の意図と聞き手の受け取り方を比べられます。
よくある質問
何から確かめればよい?
時・場所・行動のまとまりを探す
自分の説明をどう見直す?
使った言葉や本文の箇所を示し、そこから考えた理由を一文添えます。
出典
- 学習指導要領:第1学年 国語 知識及び技能(1)ア(「音声の働きや仕組みについて,理解を深めること。」)
- 文部科学省 中学校学習指導要領(平成29年告示)第1学年国語、冊子29〜32ページ〔PDF31〜34ページ〕