なぜ場面によって言葉の使い方を選ぶ?

なぜ場面によって言葉の使い方を選ぶ? 広い地域へ伝える場面と、地域の経験や親しさを分かち合う場面では、言葉に求める働きが変わるからです。 身近な場面の短文を比べ、言葉と意味のつながりを確かめます。表と三つの練習を使い、自分の言葉で理由を
こたえ
広い地域へ伝える場面と、地域の経験や親しさを分かち合う場面では、言葉に求める働きが変わるからです。
表でみる
| 見るところ | 確かめること |
|---|---|
| 相手 | その言葉の意味を共有しているかを見る |
| 共通語 | 地域を越えて情報を伝える |
| 方言 | 地域の暮らしと親しみを表す |
わけを考えよう
いろいろな地域の人が集まる場面では、多くの人が理解しやすい言葉で情報を伝える工夫が役立ちます。一方、身近な地域の会話には、その土地で使い継がれてきた表現があります。共通語と方言は、それぞれの場面で働く言葉です。どちらを使うかを考えるときは、相手、目的、場所に目を向けましょう。初めて会う人へ行き方を案内する場面と、地域で暮らす人どうしが思い出を語る場面では、伝えたいものが変わります。

共通語は、地域の違いを越えて意思を伝え合う場面で役立ちます。学校の案内や広い地域に向けた放送などでは、聞き手が知っている語を選び、必要な説明を添えることが大切です。誰が聞くかを考えると、地域で通じる言葉を使ったあとに、意味を言い換える方法も選べます。共通語を使うことは、話し手の個性を一つにそろえることより、多くの人が同じ情報を受け取れる道を作ることとして考えられます。
方言には、地域ごとの語彙、発音、アクセント、語尾などの特徴があります。同じ物を異なる言葉で呼ぶ場合も、同じ言葉を異なる調子で言う場合もあります。実際の方言を調べるときは、その地域の人の説明や信頼できる資料を使い、どの場所でどんな場面に使われるかを記録しましょう。短い一つの表現から地域全体の話し方を決めるより、複数の用例を比べると、その言葉の使われ方を丁寧につかめます。
地域で使う言葉は、その土地の暮らしや人とのつながりを表す手掛かりにもなります。家族が話す表現を聞いて親しみを感じたり、地域の昔話を語る声から土地の雰囲気を感じたりすることがあります。言葉を調べるときは、辞書の意味に加えて、話し手がどんな相手にどんな気持ちで使うかも尋ねてみましょう。言葉の形だけを並べる段階から、使う場面を比べる段階へ進むと、果たす役割が見えます。
学校で紹介するために方言の調査をするなら、聞き取りの前に目的を説明し、記録してよい内容を確かめます。名前や個人的な話を載せる場合は、扱い方も相談します。発表では、表現、共通語での意味、使う場面の三つを並べると分かりやすくなります。発音は話し手が教えてくれた範囲で確かめます。紹介するときに大切なのは、珍しさを強調することより、生活の中でどんな働きがあるかを説明することです。
言い換えの練習では、地域の表現を知らない聞き手へ意味を伝える短い説明を作ります。最初にその言葉を示し、次に意味を共通語で説明し、最後に使用場面を一つ添えます。聞き手が意味を理解したあとには、元の表現の響きを味わうこともできます。話し手の言葉を残すことと、広く理解できる説明を付けることは、同時に行える工夫です。目的に合わせて言葉を選ぶ学習を、身近な会話から始めましょう。
方言や共通語の役割を比べるときは、相手が安心して話せることも考えます。自分にとってなじみのある言葉と、相手が理解しやすい言葉の両方を見て、必要に応じて言い換えます。意味を尋ねられたら、具体的な場面を一つ示すと話がつながります。言葉の違いを互いの経験を知る入口として扱うことで、調査や会話の中から学べることを広げられます。
学習指導要領では「共通語と方言の果たす役割」と示されています。ここで使う短文や場面は、この学習のために作った例です。
もっと知りたい人へ
言葉の違いを調べる学習は、話すことや聞くことの学習ともつながります。聞き手の理解に合わせて説明を添えると、地域の特色を残しながら情報を届けられます。方言の実例を集めたら、使う場面を比べてみましょう。同じ意味の表現でも、親しみや丁寧さの感じ方が場面で変わることがあります。自分の印象と話し手の説明を分けて記録すると、言葉の働きを具体的に考えられます。
やってみよう
問題1
広い地域の人へ会場の行き方を案内する際、どんな工夫ができる?
こたえを見る
多くの人が理解する語で説明し、地域の呼び方には意味を添える。
相手に情報が伝わることを目的に言葉を選びます。
問題2
方言の紹介表に「表現」と「意味」のほか、何を入れる?
こたえを見る
使われる地域や場面。
言葉が果たす役割を説明できます。
問題3
聞き取りを発表へ使う前に、話し手と何を確かめる?
こたえを見る
記録や紹介をしてよい内容と、その扱い方。
相手と目的を共有して調査を進めます。
よくある質問
何から確かめればよい?
その言葉の意味を共有しているかを見る
自分の説明をどう見直す?
使った言葉や本文の箇所を示し、そこから考えた理由を一文添えます。
出典
- 学習指導要領:第1学年 国語 知識及び技能(3)ウ(「共通語と方言の果たす役割」)
- 文部科学省 中学校学習指導要領(平成29年告示)第1学年国語、冊子29〜32ページ〔PDF31〜34ページ〕