なぜ作文は読み手の立場で読み直す?

なぜ作文は読み手の立場で読み直す? 書き手が知っている情報と、文章だけで読み手に伝わる情報を比べて整えられるからです。 身近な場面の短文を比べ、言葉と意味のつながりを確かめます。表と三つの練習を使い、自分の言葉で理由を説明する中学一年の
こたえ
書き手が知っている情報と、文章だけで読み手に伝わる情報を比べて整えられるからです。
表でみる
| 見るところ | 確かめること |
|---|---|
| 点検 | 内容・語句・表記の観点を分ける |
| 助言 | 本文の箇所を挙げてもらう |
| 振り返り | 残した点と整えた点を記録する |
わけを考えよう
文章を書き終えたら、初めて読む人が内容を追えるかを確かめます。書き手は出来事の場所や登場した物を知っているため、短い言葉だけで理解できることがあります。読み手が文章だけで知る情報は、その文に書かれた範囲です。「そこへ行った」という一文なら、「そこ」がどこか前の文で分かるかを見ます。読み手の立場へ移るとは、文章にある手掛かりを順に使って理解できるかを試すことです。

点検は、内容、語句、表記のように観点を分けると進めやすくなります。内容では伝えたい中心と理由のつながり、語句では場面に合う意味で使えているか、表記では文字や句読点が整っているかを見ます。一度に全てを探すより、最初は中心と根拠、次は語句、最後は表記という順で読む方法があります。自分が確かめる観点を余白へ書くと、どの面から文章を直したかを記録できます。
語句の用法を確かめるときは、選んだ言葉がその文の意味に合うかを見ます。「本をたずねた」より「本の場所をたずねた」とすると、何を聞いたかが具体的になります。指示語の受ける対象も確認します。二つの案を出したあとに「それを選んだ」と書くなら、どちらかを読み手が特定できる表現へ整えられます。語の意味と文の前後の関係を一緒に見ることが、内容を伝わりやすくする工夫になります。
叙述の仕方は、どんな順序や言葉で内容を述べるかということです。体験を書く随筆なら、見た景色、起きたこと、そのときの気持ちを順に示す方法があります。詩を書くなら、音や形を表す言葉を選び、繰り返しや文末の工夫を比べられます。表現の工夫を残しながら、読み手が場面を想像する手掛かりがあるかを確かめましょう。同じ内容を二通りに書き換えて、伝えたい感じがどちらに合うかを考えます。
読み手から助言をもらうときは、「よかったところ」と「詳しく知りたいところ」を具体的に尋ねます。「二段落目の例で理由が分かった」のように箇所を示してもらうと、文章のよい点が見えます。「いつの出来事か知りたい」という助言は、追加する情報を選ぶ手掛かりです。相手の感想をそのまま全て採り入れるより、自分の中心と目的に合うかを考え、直す箇所を選びます。選んだ理由も書いておきましょう。
助言を受けた後は、元の文章と直した文章を並べて読みます。例えば「入口に置いた」を「図書室の入口に案内を置いた」へ変えたなら、場所と物を追加した工夫が分かります。どの情報を足し、どの語を具体的にしたかを記録すると、次の作文でも使える方法になります。修正した文だけでなく前後の文も読み、つながりが整ったかを確かめましょう。文章全体の中心へ戻る点検を最後に行います。
振り返りには、「残したよい点」「整えた点」「次に試す点」の三つを使えます。よい点を残すことは、書き手の意図や表現の工夫を大切にすることです。整えた点には、根拠を具体的にした、語の意味を確かめた、読み手が場所を追えるようにした、などを書けます。文章を直す作業を結果だけで見るより、選んだ理由を言葉にすると、自分の書き方を見つめる学習になります。
学習指導要領では「読み手の立場に立って」と示されています。ここで使う短文や場面は、この学習のために作った例です。
もっと知りたい人へ
文章を整える作業は、紹介、説明、随筆、詩など、それぞれの目的に合わせて行えます。全ての文章を同じ言い方へそろえるより、伝えたい内容と選んだ表現の効果を確かめましょう。読み手が見つけたよい点を残し、質問に応じて情報を添えると、自分の工夫と相手の理解を両方生かせます。助言の箇所、直した文、選んだ理由を一組で記録しておくことが、書く力の振り返りになります。
やってみよう
問題1
「そこに置いた」を初めて読む人へ伝えるため、何を確かめる?
こたえを見る
「そこ」が示す場所と、置いた物が分かるか。
読み手が使える手掛かりを確認します。
問題2
助言を具体的にもらう質問を作ろう。
こたえを見る
例:理由が分かった段落と、もっと知りたい箇所を教えてください。
文章の箇所と感想を結び付けられます。
問題3
直す前後の文章を比べて記録することは?
こたえを見る
何を変えたかと、その変更を選んだ理由。
修正の方法を次の作文へ生かせます。
よくある質問
何から確かめればよい?
内容・語句・表記の観点を分ける
自分の説明をどう見直す?
使った言葉や本文の箇所を示し、そこから考えた理由を一文添えます。
出典
- 学習指導要領:第1学年 国語 思考力等B(1)エ・オ/B(2)ウ(「読み手の立場に立って」)
- 文部科学省 中学校学習指導要領(平成29年告示)第1学年国語、冊子29〜32ページ〔PDF31〜34ページ〕