なぜ話す前に中心と材料を決める?

なぜ話す前に中心と材料を決める? 相手に伝える中心を決めると、その中心を支える情報を選び、聞く順序を整えられるからです。 身近な場面の短文を比べ、言葉と意味のつながりを確かめます。表と三つの練習を使い、自分の言葉で理由を説明する中学一年
こたえ
相手に伝える中心を決めると、その中心を支える情報を選び、聞く順序を整えられるからです。
表でみる
| 見るところ | 確かめること |
|---|---|
| 目的 | 誰に何を伝えるかを一文にする |
| 材料 | 事実と意見を分け中心へ結ぶ |
| 構成 | 相手が理解する順に並べる |
わけを考えよう
誰かへ学校の場所を紹介する場面を考えましょう。同じ図書室を話題にしても、初めて来る人へ使い方を伝える場合と、友達へ本の魅力を伝える場合では、必要な材料が変わります。話し始める前に、誰へ何を伝えるかを一文で書きます。目的と場面が決まると、集めた情報のどれを使うか判断できます。話題は日常の中から選べます。自分が見たこと、試したこと、気になったことから、相手へ伝える価値のある内容を探してみましょう。

材料を集めるときは、見たことや確かめたことと、自分が感じたことを別々に記録します。「入口に返却箱がある」は場所についての事実、「返却箱があると便利だ」は使う人の判断を含む意見です。二つを分けると、意見の理由を示すためにどの事実を使うかが見えます。実際に話す場面では、自分が確かめた情報を選びます。ここで使う場所の説明は学習用の創作例なので、自分の学校の情報を紹介するときは場所や使い方を確認しましょう。
集めた材料は、今回の中心を支えるものと、詳しく補うものに分けます。中心を「初めての人にも使いやすい場所」とするなら、入口の案内と借り方の説明が主な材料になります。本の種類の話は、目的に応じて補足へ回せます。全ての材料を同じ長さで話すより、中心に関わる内容を先に伝え、補足を必要なところへ置くと、相手が話の目的を追えます。話す長さに合わせて、使う材料の数を調整しましょう。
構成は、話をどの順序で伝えるかという組み立てです。紹介なら、最初に場所の特徴、次に具体例、最後に相手への案内という順にできます。報告なら、調べた目的、方法、分かったこと、自分の考えという順も選べます。形式だけを先に決めるより、聞き手が何を知れば次の話を理解できるかを考えます。入口の場所を知らない人には、使い方の前に場所を説明するなど、相手の持つ情報に合わせて順を選びましょう。
話の構成を小さなカードにすると、並べ替えて試せます。一枚に一つの情報を書き、中心のカードと根拠のカードの間を線で結びます。話の最初に中心を置いた場合と、具体例から始めた場合を比べて、相手が内容をつかめる方を選びます。根拠のカードには、何を確かめたかを具体的に書きましょう。自分の意見を支える理由が言えるようになると、紹介や報告への質問にも材料を使って答えられます。
練習では、カードを見ながら一度話し、聞き手に内容を一文でまとめてもらいます。話し手が伝えたかった中心と、聞き手が捉えた中心を比べると、構成の効果を確かめられます。詳しい情報が先に印象へ残ったなら、中心の言葉を最初と最後に置く方法も試せます。聞き手が質問した箇所は、補足を添える場所の手掛かりになります。集める、選ぶ、並べる、話して確かめるという流れを短い紹介で練習しましょう。
仕上げでは、一つの文に情報を詰め込むより、聞き手が意味のまとまりを受け取れる長さへ整えます。場所、方法、理由など、役割が変わるところで文を分けると、声の区切りも考えやすくなります。話す前に見たカードと、話した後のメモを比べることで、使えた材料と追加した材料を振り返れます。次の発表で何を先に伝えるかを一つ決めると、構成を考える学習を続けられます。
学習指導要領では「話の構成を考えること。」と示されています。ここで使う短文や場面は、この学習のために作った例です。
もっと知りたい人へ
話の構成を考える手順は、説明文を書くときにも使えます。材料のカードを段落へ置き換えると、中心と根拠の関係を文章で示せます。紹介のあとに質問を受けたら、その質問が中心に関わるものか補足に関わるものかを分けて記録してみましょう。必要な説明がどこにあるかを振り返ることが、次の発表で材料を選び、順序を整える手掛かりになります。
やってみよう
問題1
初めて図書室へ来る人に話すとき、最初に集めたい材料を二つ挙げよう。
こたえを見る
例:場所、利用の手順。
相手が必要とする情報から材料を選びます。
問題2
「入口に地図がある」「地図があると便利だ」を事実と意見に分けよう。
こたえを見る
前者が事実、後者が意見。
確かめられる配置と、使いやすさの判断を区別します。
問題3
話したあと中心が伝わったか確かめるため、聞き手へ何を頼む?
こたえを見る
話の内容を一文でまとめてもらう。
聞き手が受け取った中心と意図を比べられます。
よくある質問
何から確かめればよい?
誰に何を伝えるかを一文にする
自分の説明をどう見直す?
使った言葉や本文の箇所を示し、そこから考えた理由を一文添えます。
出典
- 学習指導要領:第1学年 国語 思考力等A(1)ア・イ/A(2)ア(「話の構成を考えること。」)
- 文部科学省 中学校学習指導要領(平成29年告示)第1学年国語、冊子29〜32ページ〔PDF31〜34ページ〕