なぜ話しながら相手の反応を見る?

なぜ話しながら相手の反応を見る? 聞き手が受け取った様子に合わせて、説明の速さや具体例を調整できるからです。 身近な場面の短文を比べ、言葉と意味のつながりを確かめます。表と三つの練習を使い、自分の言葉で理由を説明する中学一年の国語教材です。
こたえ
聞き手が受け取った様子に合わせて、説明の速さや具体例を調整できるからです。
表でみる
| 見るところ | 確かめること |
|---|---|
| 確認 | 相手に内容を言い直してもらう |
| 調整 | 速さ・間・具体例を選ぶ |
| 質問 | 何を知りたいかを確かめて答える |
わけを考えよう
話すときは、用意した内容を声にすることと、相手の理解を確かめることを組み合わせます。相手がうなずく、質問する、説明をもう一度確かめるといった反応は、次にどんな言葉を添えるかの手掛かりです。例えば道具の使い方を紹介するとき、相手が道具の位置を探しているなら、手順の前に場所を説明できます。話の中心を持ちながら、相手の反応に合わせて進め方を選ぶと、情報を伝え合う場面を作れます。

反応を読む際は、一つの表情だけで相手の考えを決めるより、言葉でも確かめましょう。「ここまでの手順で、次に何をするか分かりますか」と尋ねる方法があります。相手が説明を言い直してくれたら、理解した内容を共有できます。質問の時間を短く挟むと、聞き手が確認したい箇所を言える場面になります。話し手が先へ進むためだけの確認より、相手が必要な情報を受け取るための確認として使うことが大切です。
速さを調整するときは、内容のまとまりを見ます。場所の名前や新しい語が出るところでは、語をはっきり言い、その後に短い間を置けます。聞き手が既に知っている部分は簡潔に述べ、初めて知る部分は具体例を添えると、説明の重点を付けられます。全体を同じ速さで読むことより、中心となる情報を選び、聞き手が整理する時間を作る工夫が役立ちます。声の区切りと意味の区切りを合わせてみましょう。
具体例を添えるときは、相手が知っている場面を選びます。「材料を整理する」と言ったあとに、「場所の情報と、使い方の情報を別の欄へ置くことです」と説明すれば、行動を想像できます。抽象的な語を具体的な動作へ言い換える方法です。例を長く足す前に、どの部分を理解するための例かを一言で決めます。中心の話から具体例へ進み、例を話した後に中心へ戻ると、聞き手が両方の関係を追えます。
相手から質問されたら、何について尋ねているかを聞き取ります。場所を確かめたい質問と、理由を知りたい質問では、答える内容が変わります。必要に応じて「場所のことですね」と言い直すと、質問の対象を確認できます。用意した材料の中から、その対象に合う情報を選びます。調べる必要がある内容なら、確かめる方法を相談できます。伝え合うことは、一人で話を進めることに加え、相手が必要とする内容へ応じることでもあります。
練習には、話し手と聞き手の役を交代する方法が使えます。話し手は短い紹介をし、聞き手は途中で一度、内容を確認する質問をします。その後、話し手がどの言葉を言い換えたか、どこに間を置いたかを一緒に振り返ります。聞き手の役をすると、分かりやすい説明がどんな形かを自分でも感じられます。声の大きさ、話す速さ、具体例、確認の言葉を別々に記録すると、工夫の効果を比べられます。
発表の場面では、全員の反応を一度に確かめることより、視線を少しずつ動かし、質問や言葉の返りを手掛かりにします。相手が知っている内容を最初に確かめ、説明する順序を選ぶことも準備になります。話し終わったら、聞き手が心に残った内容を短く伝えてもらいましょう。自分の中心と一致する部分を見つけ、次に調整したい表現を一つ選ぶと、相手の反応を生かした学習につながります。
学習指導要領では「相手の反応を踏まえながら」と示されています。ここで使う短文や場面は、この学習のために作った例です。
もっと知りたい人へ
相手の反応を踏まえる工夫は、報告、紹介、相談などの場面で使えます。話の中心を決めてから、相手にとって新しい語や手順を探すと、説明を添える場所が分かります。聞き手の質問を記録し、どこを言い換えると伝わったかを振り返りましょう。準備した文章と実際の会話の違いを比べることで、内容の正確さと相手への伝わり方を一緒に整えられます。
やってみよう
問題1
相手の理解を確かめる言葉を一つ作ろう。
こたえを見る
例:ここまでで、次にすることを教えてもらえますか。
相手が受け取った内容を具体的に確かめます。
問題2
「整理する」を具体的な動作で説明しよう。
こたえを見る
例:場所の情報と使い方の情報を別の欄へ分ける。
相手が想像できる行動へ言い換えます。
問題3
質問されたとき、答えを選ぶ前に確かめることは?
こたえを見る
何の場所・方法・理由などを尋ねているか。
質問の対象に合う材料で答えられます。
よくある質問
何から確かめればよい?
相手に内容を言い直してもらう
自分の説明をどう見直す?
使った言葉や本文の箇所を示し、そこから考えた理由を一文添えます。
出典
- 学習指導要領:第1学年 国語 思考力等A(1)ウ/A(2)ア(「相手の反応を踏まえながら」)
- 文部科学省 中学校学習指導要領(平成29年告示)第1学年国語、冊子29〜32ページ〔PDF31〜34ページ〕