なぜ同じ言葉も場面で働きが変わるの?

架空の校内案内をする自作場面で、挨拶・聞き直し・感謝・説明・申し出・依頼を使います。目的に合う声を選び、相手の反応を見て働きを確かめる流れを、閉じた例と三つの練習で体験します。
こたえ
言葉の働きは、誰に何を伝え、相手にどうしてほしいかという場面の目的と結び付くからです。相手の声や動きも受け取り、今の目的に合う表現を選びましょう。
表でみる
| 段階 | 確かめること |
|---|---|
| 場面 | 誰とどんな活動をするか |
| 目的 | 伝える内容や求める行動を選ぶ |
| 働き | 声と相手の反応を合わせる |
わけを考えよう
架空の校内案内で、初めて来た相手を図書室へ案内する場面を考えましょう。最初に挨拶し、相手が行きたい場所を聞き、道の情報を知らせます。声を聞き直したいときは、その気持ちを短い表現で伝えます。教えてもらったら感謝を返します。一つの案内の中でも、声を使う目的は変わります。日本語で今伝えたいことを決め、先生と慣れた表現を選びましょう。相手の声や動きも見て、使った言葉がどんな働きをしたかを確かめます。

案内の始めには、挨拶や呼び掛けで二人の話を始めます。相手の話を受け取ったときは、相づちや繰り返す声で反応できます。聞き直す声は、内容をもう一度確かめるために使います。道の情報を説明する声は、二人が同じ場所へ向かうために使います。助けてもらったときの感謝、相手の作品への褒める言葉、自分の行動について謝る声は、気持ちを届けるための表現です。どのタイミングで、どんな目的に使ったかを場面の絵と合わせてみましょう。
自分の考えや意図を伝える回には、案内を手伝う申し出や、行く場所についての意見を選びます。相手の提案に賛成する、引き受ける、断るという返事も、自分の判断を届ける内容です。相手の行動を促す回には、質問や依頼、案内の指示を使います。話す役は、相手が受け取りやすい場面と関係を考え、先生の示す表現を選びます。聞く役は声を受け取って、自分の返事や行動を決めます。一言の意味と、そのあとの二人の動きを合わせて確かめましょう。
場面を家庭、学校、地域の行事へ替えると、使いたい表現も変わります。自己紹介、買物、食事、道案内、旅行など、慣れた声を使う場面を絵で比べられます。同じ短い物の名前でも、質問への返答として情報を知らせるときと、受け渡しの依頼で使うときでは、目的を分けて考えます。活動後は、場面、使った声、相手の反応を一組で記録します。言葉の働きを、二人が話を進めたり作業をしたりする具体的な経験から見つけていきましょう。
準備の紙には、二人がいる場所、伝えたい目的、相手の反応の三つの欄を作ります。最初は先生の自作会話を聞き、声を使った目的に合う札を選びます。次は二人で場面を一つ決め、慣れた表現を使って短くやり取りします。相手の反応を受け取ったら、目的と合う行動につながったかを話しましょう。案内する回には地図の絵、買物の回には練習用の物の絵、食事の回には好きな物のカードを用意できます。場面を替えるときは、先生と表現の意味を声で確認してから使います。振り返りには、挨拶、気持ち、情報、考え、相手の行動という札を並べ、一回の会話のどこにそれぞれの目的があったかを示します。家族と行う場合も、相手が受け取った内容や動きを確認し、言葉を使う場面と目的を一緒に選びましょう。
学習指導要領では、次の内容を扱います。文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示)には「考えや意図を伝える」とあります。
解答例を見る
自作例:A: Hello. B: Hello. A: Where is the library? B: Go straight. A: Pardon? B: Go straight. A: Thank you.
訳:A「こんにちは。」B「こんにちは。」A「図書室はどこですか。」B「まっすぐ進んでください。」A「もう一度お願いします。」B「まっすぐ進んでください。」A「ありがとう。」架空の校内案内の自作会話です。
ほかの自作場面の一言:Nice picture! / I’m sorry. / I can help you. / I agree. / OK. / No, thank you.
訳:「すてきな絵です。」「すみません。」「手伝えます。」「賛成です。」「いいですよ。」「結構です、ありがとう。」作品を褒める、ぶつかったことを謝る、手伝いを申し出る、提案に賛成する、依頼を引き受ける、勧められた物を断る場面で、それぞれの気持ちや判断を知らせる自作例です。相手の反応を受け取り、二人で次の行動を選びます。
もっと知りたい人へ
中学校では、相手との関係や目的に合わせた表現をさらに選びます。小5では、身近な場面のやり取りから、情報・気持ち・考えを届ける働きと、相手の行動を促す働きを確かめましょう。
やってみよう
問題1
道の情報をもう一度聞きたいとき、どんな目的の表現を選びますか。
こたえを見る
聞き直して内容を確かめるための表現を選びます。
相手と同じ情報を受け取るために、会話を進める声を使います。
問題2
質問の答えとして物の名前を言うときと、受け渡しで物を頼むときでは、何を分けて考えますか。
こたえを見る
情報を知らせる目的と、相手に渡してもらう目的を分けて考えます。
同じ物の名前も、その場の目的と反応を合わせて働きを確かめます。
問題3
案内を手伝うと申し出ました。相手の返事を受け取ったあと、何を記録しますか。
こたえを見る
場面、使った申し出の声、相手の返事やそのあとの動きを記録します。
言葉の働きを、実際のやり取りの流れで振り返ります。
よくある質問
家族と取り組むときはどう進めますか。
授業で声を聞いて使った言葉を選び、家族が相手役になります。このページの自作場面を参考に、伝えたいことを決め、伝わった内容を一緒に確かめましょう。
出典
- 学習指導要領:第2章 第10節 外国語〔第5学年及び第6学年〕 2 (3)②ア(ア)(イ)・イ(ア)〜(オ)(「考えや意図を伝える」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示)第2章 第10節 外国語