持ち歩く小物入れは、使う人からどう考える?

持ち歩く小物入れの架空の計画から、使う人の気持ち、入れる物、持ち方、材料を考えます。取り出しやすさと見た目の関係を試作品で確かめ、機能と美しさを結び付けて構想する方法をオリジナル問題で学びます。
こたえ
使う人が何を入れ、どこでどう持つかを確かめ、その条件に合う形や材料を選びます。使いやすさと見た目を試作品で一緒に比べると、構想が具体的になります。
表でみる
| 使う条件 | この例で考える点 | 形や材料の案 |
|---|---|---|
| 鉛筆三本を入れる | 長さと開口部 | 出し入れできる細長い形 |
| 移動中に持つ | 重さと持ち方 | 持つ部分を試して決める |
| 自分の物と分かる | 見た目と手触り | 独自の模様や素材の組合せ |
わけを考えよう
ここでは、教室から図書室へ鉛筆三本を持っていく小物入れを計画する架空の例を考えます。使う人は片手で持ち、席に着いたら鉛筆を取り出すという設定です。まず入れたい物の長さや本数、移動の仕方、机の上で置く場所を確かめます。同じ小物入れでも、持ち歩くものと机に置き続けるものでは条件が違います。見た目を決める前に、使う場面を短い言葉や簡単な絵で表すと、考えることが整理できます。

使う人の気持ちも、構想の出発点になります。「持ちやすくしたい」「鉛筆が探しやすいとうれしい」「自分の物だと分かる模様を付けたい」といった希望を、形や材料へつなげます。この例なら、細長い形、上から見える開口部、手に触れる部分の質感などが候補になります。希望ごとの優先順位を考え、何を特に大切にするか使う人と話し合います。希望を具体的な場面と結び付けることが、主題を生み出す手掛かりです。
紙で簡単な試作品を作り、実物の鉛筆を入れずに、同じ長さの軽い紙片を入れて配置を試す方法があります。外形とともに、開ける場所、手で持つ部分、置いたときの向きを比べましょう。開口部が細いと中身を取り出しにくい場合があり、広いと見やすくなる一方で持ち歩き方を考える必要が出ます。使う条件に対して各案がどう働くか説明しながら比較し、目的に合う案を選びます。
材料を選ぶときは、硬さ、曲がり方、厚さ、手触り、使う道具との関係を確かめます。同じ形でも、薄い紙と厚い紙では折り曲げやすさや形の保ち方が変わります。この計画ではまず紙で構想を比べ、実際に使う材料は学校で扱えるものから先生と相談して選ぶ設定にします。長く使うための丈夫さは、実際に用いる材料や使い方の条件で、試した記録をもとに確かめます。試した範囲と、これから確かめることを分けて考えます。
美しさは、外形や材料を選ぶ構想の段階から考えられます。持つ部分の曲線、全体の割合、材料の表面、開口部と外形の関係も見た目に関わります。指が触れる場所へ大きな飾りを付ける案と、側面に模様を置く案を比べると、使いやすさとの関係が見えてきます。模様を減らして材料の質感を生かす案も考えられます。機能と美しさを別々に決めず、同じ部分が持ち方と見た目の両方にどう働くか確かめましょう。
使う人に試作品を見てもらい、「どこを持ちたい?」「どこから取り出したい?」と尋ねます。答えを受けて形を変える場合は、その理由を記録します。例えば、持つ部分をもう少し広くする案なら、手の位置と全体の形がどう変わるかも見ます。自分が作りたい見た目と相手の希望が違う場合も、目的に戻って考えられます。相手に寄り添いながら表現の工夫を選ぶことが、使うためのデザインや工芸の構想につながります。
もっと知りたい人へ
寸法を決めるときは、入れる物の実際の大きさから考えます。鉛筆の長さだけにぴったり合わせる案と、取り出すための余裕を加える案を図で比べてみましょう。必要な余裕は形や持ち方にも関係するので、この例で使う物と動作に合わせて数値を考えます。試作品で確かめて、どの位置にどれだけ余裕を取ったかを書きます。数値と使う場面が結び付くと、次の修正を考えやすくなります。
このページでは、学習用の試作品から形、材料、使い方の関係を考え、構想を練る経験を重ねます。学習記録には、使う人の希望、二つ以上の形の案、材料を試した結果を並べます。選んだ案について、「この形は持つ位置を分かりやすくし、側面の模様も見せられる」と説明してみましょう。自分の好みとともに、使う条件と美しさがどこで結び付いたかを示すと、次に別の道具を考えるときにも役立ちます。
文部科学省の中学校学習指導要領解説(美術編)は、第1学年の使う目的や条件を扱っています。このページでは、その視点を上の架空の例で考えました。
やってみよう
問題1
鉛筆三本を入れる構想で、最初に調べたい条件を二つ挙げよう。
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鉛筆の大きさと、持ち歩き方など。
入れる物と使う場面を形や材料へ結び付けます。
問題2
手で持つ場所の飾りが邪魔になった。どんな別案が考えられる?
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飾りを側面へ移す、形を小さくする、表面の模様にする。
美しさと使いやすさを同じ部分で検討します。
問題3
紙の試作品だけで、長く使えると判断してよい?
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判断するには、実際の材料や使う条件での確認がさらに必要。
構想の確認と、実用上の確かめを区別します。
よくある質問
使う人と自分の好みが違ったら?
使う目的と条件を話し合い、形や模様の別案を比べて構想を練りましょう。
材料は最後に選べばよい?
材料の特性が形や使い方に関わるので、構想の途中から見本で確かめると役立ちます。
出典
- 学習指導要領:第1学年 A表現 (1)イ(ウ)(「使いやすさや機能と美しさ」)
- 文部科学省・中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 美術編、付録3 第1学年2内容(154–155ページ)