雨上がりの道で、絵の主題をどう決める?

雨上がりの道を見て感じたことから、絵で一番表したい主題を決めます。水たまりの光、道の向き、余白の関係を小さな下描きで比べ、全体と部分を結び付けて構想する方法を、オリジナル問題とともに考えます。
こたえ
感じたことを一つの言葉にまとめ、その主題が伝わるように全体と部分の配置を考えます。見た物の特徴を手掛かりに、どこを目立たせるか選びましょう。
表でみる
| 見つけた特徴 | そこから生まれる主題 | 配置の案 |
|---|---|---|
| 水たまりに映る空 | 地面にも広がる空 | 水面を大きく、道を細く |
| 奥へ続く道 | 帰り道の長さ | 道の先に余白を残す |
| 一か所の明るい反射 | 雨の後のきらめき | 明るい部分を中心近くに |
わけを考えよう
ここでは、雨がやんだ後の通学路を描くという架空の例を考えます。目の前には水たまり、白い雲、路面の小石、遠くの建物があります。全部を同じ大きさや細かさで描く前に、自分が何に引かれたかを探しましょう。「空が地面にもあるようで面白い」「長い道が少し明るく見えた」など、見つけた特徴と感じたことを結び付けると、絵で一番表したいことが見えてきます。これが主題を生み出す出発点です。

主題には、題材を通して感じたことや表したい思いを込められます。「水たまり」という題材から、「地面に広がる空」という主題を考えることもできます。題材は何を取り上げるか、主題はその題材を通して何を表したいか、という違いを手掛かりにします。立派な言葉を先に探すより、観察したことを短く書く方が自分の考えを確かめやすくなります。「青い部分が広い」「小石の間で光っている」という具体的な気付きから、表したい感じへ進んでみましょう。
「地面に広がる空」を表すなら、水たまりを大きく取る案が考えられます。大きさに加え、その周りの道や小石との関係も考えると主題を伝える工夫が広がります。水面と路面を同じ色で埋める案と、水面の明るさを周りと変える案では、目が向く場所が変わるかもしれません。全体の中で中心になる部分を決め、その部分を支える形、色、余白を選びます。主役の周りをどう扱うかも、構成を工夫することに含まれます。
いきなり大きな画用紙を仕上げる代わりに、小さな長方形を三つ描いて配置だけを試します。一つ目は水たまりを中央に、二つ目は手前いっぱいに、三つ目は端に寄せて道を広くします。細かな模様を描かず、明るい場所を白く残すだけでも比べられます。どれが自分の主題に近いかを、見本の上で指し示して説明しましょう。同じ題材でも構成によって別の印象が生まれるので、自分の意図に合う配置を考える活動です。
選んだ案は、観察と想像のどちらを生かしたかも確かめます。実際に見た水面の形を残しつつ、空の広がりを強調して描くこともできます。写実的に描く案なら見える形の関係を丁寧に調べ、想像を交えた案ならどの部分を変えると主題が表れるか考えます。変えた理由を説明できることが、自分の構想をはっきりさせます。絵を描き進めて新しい気付きが出たら、小さな下描きへ戻って主題と配置を見直してよいでしょう。
友達に見てもらうときは、主題を最初から教える場合と、絵だけ見せる場合を比べてみます。「どこに目が向いた?」「どの部分からその感じを受けた?」と尋ねると、配置や明るさの働きが分かります。違う感じ方が出たら、絵の中の根拠を一緒に探しましょう。相手の答えを手掛かりに、自分が表したいことへ戻って案を選べます。表したかったことと、実際に見えている特徴を比べ、自分が大切にしたい部分を選び直すことが次の工夫につながります。
もっと知りたい人へ
絵と彫刻では、構成を考える場所が違います。絵なら画面の中の大きさや位置、彫刻なら立体の量や空間、見る方向などを試せます。例えば「軽く跳ねる感じ」を紙の立体で表すなら、形が上へ伸びる案と横へ広がる案を見比べます。ここでも全体と部分を結び付け、表したい感じに必要な工夫を選びます。画面を整える経験は、形を立体としてまとめるときにも、考え方の手掛かりになります。
学習の記録には、最初の観察メモ、三つの下描き、選んだ理由を並べます。「大きくした」とともに、「水面の空を一番見せたかったので、手前の水たまりを大きくした」と書くと、主題と構成のつながりが残ります。完成した絵とともに、考えが動いた途中も大切な記録です。次に同じ道を見たとき、前とは違う特徴に気付けば、別の主題で新しい絵を考えることもできます。
文部科学省の中学校学習指導要領解説(美術編)は、第1学年の主題と創造的な構成を扱っています。このページでは、その視点を上の架空の例で考えました。
やってみよう
問題1
小石より水面の空を見せたい。三つの下描きで何を変えて比べる?
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水たまりの大きさや位置、周りの明るさを変える。
主題を支える全体と部分の関係を試すためです。
問題2
「雨の道」と「地面に広がる空」では、どちらが表したい感じまで示している?
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この例では「地面に広がる空」。
題材の名前に、自分が見つけた意味や感じを加えています。
問題3
友達が道の奥ばかり見ると答えた。水面を主役にしたいなら何を見直す?
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水面と道の大きさ、明るさ、位置などの関係。
相手が注目した部分を手掛かりに、自分の主題を支える構成を再検討します。
よくある質問
見たとおりに描くことも主題になる?
観察して見つけた形や色の特徴を、何のために丁寧に表すか考えると主題がはっきりします。
主題は途中で変えてよい?
新しく気付いたことに合わせて変えられます。変えた理由と構成の関係を記録しましょう。
出典
- 学習指導要領:第1学年 A表現 (1)ア(ア)(「全体と部分との関係」)
- 文部科学省・中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 美術編、付録3 第1学年2内容(154–155ページ)