紙の立体を組む前に、何を試しておく?

紙の立体を作る架空の計画から、折る、色を付ける、組み立てる順序を考えます。材料や用具の特性と、手が届く場所、乾かす時間を試作品で確かめ、見通しをもって表す方法をオリジナル問題とともに学びます。
こたえ
紙の曲がり方、接合方法、色を付ける場所を試し、後で作業しにくくなる部分から順序を考えます。小さな試作品と工程のメモが、見通しをもつ手掛かりになります。
表でみる
| 先に試すこと | 順序に関わる理由 | この例の案 |
|---|---|---|
| 折り目と曲げ方 | 紙の形を確かめる | 端材で先に試す |
| 内側の着色 | 組むと筆が届きにくい | 組む前に色を付ける |
| 接合と乾燥 | 固定する時間が必要 | 仮組みの後に接合する |
わけを考えよう
ここでは、窓のような開口部がある紙の立体を作る架空の計画を考えます。内側と外側に色を付け、最後に机の上で形を見せるという設定です。紙を切ってから何をするかを、その場で一つずつ決める前に、材料と用具の特徴を確かめましょう。折る場所、接合する部分、筆が届く範囲、乾かす場所などを考えると、作業の順序が具体的になります。完成形を思い浮かべることと、そこへ進む道筋を考えることを結び付けます。

まず端材で、紙を折ったり緩く曲げたりしてみます。思った形になりやすいか、折り目がどんな跡になるか、戻ろうとする力があるかを観察します。紙の種類や厚さが違えば結果も変わるため、制作に使う紙の種類ごとに性質を確かめます。使う予定の紙で確かめ、その紙に合う構造を考えます。構想どおりに曲げにくい場合は、形を変える案や接合する位置を変える案も、制作前に試せます。
次に色を付ける場所を考えます。立体を閉じて組み立てた後では、内側へ筆を入れにくいかもしれません。この例なら、内側の着色を組立前に行う案が考えられます。ただし、色を付けた紙の曲がり方や、接合面への影響も確かめる必要があります。端材に色を付け、乾いた後に折ってみると、工程のつながりが分かります。実際の材料と形から、着色を先にする案と後にする案を比べ、順序を決めます。
接合方法を試すときは、使用する接着材の説明や先生の指示に従い、少量の見本で結果を確かめます。貼り合わせた直後に動かせるか、しばらく固定が必要かを観察し、作業する時間と場所を見積もります。乾燥に必要な時間は、使用する材料の説明と授業の条件に合わせて確かめます。材料や接着材、周囲の条件によって違うためです。必要な時間を確かめておくと、その間にできる別の作業と、待ってから行う作業を分けられます。
工程のメモは、「試す」「形を準備する」「内側に色を付ける」「乾かす」「仮組みする」「接合する」「全体を確かめる」など、行うことを短い言葉で並べます。仮組みでは、すぐに固定せず、開口部の向きや全体のバランスを見ます。小さな試作品で問題が見つかったら、工程のメモを直してから本制作へ進みます。決めた順序は、材料を試した結果に合わせて見直しながら使えます。試した結果を受けて見通しを更新するための準備です。
作業場所も工程の一部として考えます。切る場所、色を付ける場所、乾かして置く場所を分けて準備すると、濡れた部分をうっかり触るなどの混乱を減らせます。刃物や接着材を扱う場合は、授業で確認した使い方と作業条件を守ります。道具の準備が必要な工程をまとめる案も検討できます。どの順序を選んだかを、材料の特徴や作業しやすさと結び付けて説明することが、見通しをもって表す学習です。
もっと知りたい人へ
工程を比べるには、二つの短い案を書いてみましょう。案一は全部組み立ててから着色、案二は内側を着色してから仮組みという設定です。筆が届くか、接合面を確保できるか、乾かす場所があるかを一つずつ確認します。予定している形と材料で、二つの案のどちらが扱いやすいか確かめて考えます。外から全ての面に手が届く別の立体なら、異なる順序が合う場合もあります。
学習後は、計画の工程と実際に行った工程を並べ、変えた箇所へ理由を書きます。「内側に筆が届いたので後から色を付けた」「乾くまで別の部品を準備した」など、材料や用具に基づく説明にします。時間がかかった部分も、次の計画を立てる情報になります。完成した立体とともに、工程の見直しを記録すれば、次の制作で先に試すことが分かります。制作の見通しは、経験を振り返ることでも育ちます。
文部科学省の中学校学習指導要領解説(美術編)は、第1学年の制作の順序と見通しを扱っています。このページでは、その視点を上の架空の例で考えました。
やってみよう
問題1
組立後に内側へ筆が届かない。どんな順序案が考えられる?
こたえを見る
内側を先に着色し、乾かしてから組み立てる案。
材料や接合への影響も見本で確かめてから決めます。
問題2
接着後すぐ動かせるか分からない。どう計画に反映する?
こたえを見る
説明や先生の指示を確認し、見本で固定に必要な時間を確かめる。
材料に合う待ち時間を工程に含めます。
問題3
計画の順序を途中で変えた。記録に何を残す?
こたえを見る
実際の順序と、材料や作業条件に基づく変更理由。
見通しを更新した過程が次の制作に役立ちます。
よくある質問
計画は細かく決める必要がある?
後で作業しにくくなる部分や、待つ必要がある工程を中心に整理すると役立ちます。
途中で順序を変えてもよい?
試した結果と作業条件に合わせて見直せます。変えた理由も記録しましょう。
出典
- 学習指導要領:第1学年 A表現 (2)ア(イ)(「見通しをもって表す」)
- 文部科学省・中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 美術編、付録3 第1学年2内容(154–155ページ)