見学会の案内は、何を先に見せる?

初めて来る人に見学会を知らせる架空の案内を作ります。相手、伝える内容、見る場所を整理し、文字の大きさや位置、余白を比べながら、分かりやすさと美しさを両立する構想をオリジナル問題で確かめます。
こたえ
伝える相手と必要な内容を決め、最初に気付いてほしい情報が見つかるように配置します。文字や形の大きさと余白を比べ、分かりやすさと美しさを一緒に考えましょう。
表でみる
| 伝える内容 | この例での役割 | 工夫の案 |
|---|---|---|
| 見学会 | 何の案内か示す | 上部に大きく置く |
| 土曜日・図工室 | 予定を判断する | 見出しの近くでまとまりに |
| 受付はこちら | その場の行動を助ける | 入口付近では矢印と結ぶ |
わけを考えよう
ここでは、学校の見学会を知らせる案内を作る架空の例を使います。読む相手は初めて学校に来る家族、案内を置く場所は校門付近という設定です。「見学会」「土曜日」「図工室」「受付はこちら」という四つの情報を、どう並べるか考えます。相手はこの案内をじっくり読むか、歩きながら見るか。その場面を思い浮かべると、どの情報に先に気付いてほしいかが見えてきます。伝える目的と条件が、構想を選ぶ手掛かりになります。

内容を並べる前に、必要な情報を書き出して役割を整理します。「見学会」は何の案内かを示し、「土曜日」「図工室」は予定や場所を判断する手掛かりです。「受付はこちら」はその場で向かう方向を助けます。同じ案内でも、掲示する時期や場所で優先する情報は変わります。事前に配る案内なら日付が重要になり、当日の入口なら受付の場所が重要になるかもしれません。このページの表は、校門で見る場面に限定した一つの案です。
全部を同じ大きさでばらばらに置く案と、関係する情報を近くにまとめる案を比べましょう。文字を大きくするとともに、周りに余白を取る、上や中央に置く、まとまりを区切るといった方法もあります。目立たせたい部分を増やし過ぎると、どれから読めばよいか判断しにくくなる場合があります。小さな下描きで見出しと本文の位置を変え、一目で見つかる情報と、次に読める情報の関係を考えてみます。
矢印を使うなら、指す方向と文字の意味を結び付けます。「受付はこちら」という文字と矢印を離し過ぎると、何の方向を示すか迷うかもしれません。案内を置く向きと実際の入口の関係も確かめます。現場の向きに合う矢印を選ぶと、整った見た目と伝える目的を結び付けられます。この架空の案内では、矢印の向きも条件の一つとして扱い、実物を置く場所の簡単な見取り図と一緒に構想を検討します。
色を使う場合は、背景と文字の違い、使う色の数、色を付ける面積を比べます。色の区別の仕方には個人差があるので、文字でも内容を確かめられる案を考えます。「日時」「場所」と文字でも役割を示す案を試せます。飾りの形を入れたいなら、必要な文字を見やすく保つ位置や大きさを考えましょう。分かりやすさを確かめることと、美しい構成を考えることは一緒に進められます。伝えたい内容を支える形や色を選ぶという視点が役立ちます。
試作を見せるときは、初めて内容を見る友達に「何の案内だと思う?」「受付はどちらだと思う?」と尋ねます。見る時間や距離をそろえ、二つの案を比べると、どの工夫が働いたか考えやすくなります。答えが迷った部分は、文字の意味、位置、方向のどこに原因がありそうか確かめます。友達一人の感想で全員に伝わると断定せず、複数の見方を集め、相手と内容の関係をもう一度検討します。
もっと知りたい人へ
案内の形は、紙の大きさや掲示する場所にも影響されます。横長の紙と縦長の紙で同じ情報を置き、まとまり方を比べてみましょう。画面を小さくすると、細かい飾りや小さな文字がどのように見えるかも確かめられます。文字の大きさは、見る距離や掲示する場所に合わせて、それぞれの場面で確かめます。実際の距離と大きさで試し、読めたこと、迷ったことを記録すると、構想の理由が具体的になります。
案内に使う文章と図柄は、この学習のために自分で考えます。ここに示した四つの情報は、この学習のために考えた架空の行事の設定です。仕上げたら、相手、内容、条件、選んだ構成の順で説明しましょう。「初めて来る人が受付を探すから、案内の見出しと矢印を近くに置いた」と言えれば、形の工夫が目的につながっています。同じ方法で、別の相手への伝え方も考えられます。
文部科学省の中学校学習指導要領解説(美術編)は、第1学年の伝える目的や条件を扱っています。このページでは、その視点を上の架空の例で考えました。
やってみよう
問題1
当日の校門で受付へ案内したい。目立たせる情報の一例は?
こたえを見る
受付の位置や方向。
読む場面で必要な行動に結び付く情報を選びます。
問題2
矢印だけでは意味が伝わりにくい。何と組み合わせる?
こたえを見る
「受付はこちら」など、指す対象を示す文字。
形と内容を近くに置くと関係を確かめやすくなります。
問題3
二つの案を比べるとき、そろえる条件を二つ挙げよう。
こたえを見る
見る距離と見る時間。
条件をそろえることで配置の違いを検討しやすくします。
よくある質問
情報は大きな文字にすればよい?
必要な情報の順序とまとまりも考えます。どれを先に見つけてほしいか決めましょう。
飾りを入れてもよい?
伝える内容を支えるように入れられます。文字や方向の読み取りと一緒に試しましょう。
出典
- 学習指導要領:第1学年 A表現 (1)イ(イ)(「伝える相手や内容」)
- 文部科学省・中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 美術編、付録3 第1学年2内容(154–155ページ)