草の柔らかさは、筆の使い方でどう表す?

草の柔らかい感じを描く架空の活動から、筆の圧、動かし方、水や絵の具の量を試します。材料や用具の特徴を小さな見本で比べ、表したい意図に合う方法を選んで組み合わせる考え方をオリジナル問題で確かめます。
こたえ
表したい柔らかさを考え、筆の圧や動かし方、絵の具の状態を見本で比べて選びます。用具の働きを確かめると、意図に合う表し方を工夫できます。
表でみる
| 試すこと | そろえる条件 | 比べる特徴 |
|---|---|---|
| 筆を軽く・強く押す | 筆と紙と絵の具 | 線の幅や跡 |
| 短く・長く動かす | 筆の圧と絵の具 | 線の続き方 |
| 水を少し・多めにする | 同じ絵の具と紙 | 色の濃さや広がり |
わけを考えよう
ここでは、風に揺れる草の柔らかい感じを水彩の絵の具で表す架空の活動を考えます。「草を緑に塗る」という選び方から、どんな線や色の重なりに柔らかさを感じるかへ進みます。細い線、途切れた跡、淡い色の広がりなどを候補にし、小さな紙で試しましょう。柔らかさを感じる表現には、複数の方法を考えられます。自分が表したい感じを言葉にしてから、筆や絵の具の働きを確かめると、選ぶ理由がはっきりします。

同じ筆でも、穂先が紙に触れる程度で動かす場合と、少し押して動かす場合では、跡が変わることがあります。まず同じ紙と絵の具で二つの線を引き、幅、端の形、色のたまりを見比べます。圧による跡の違いは、筆の形や毛の状態なども含めて、使う用具で確かめます。実際に使う用具で結果を見て、どの持ち方や動かし方が望む跡につながったか記録します。試した跡と自分の手の動きを結び付けることが大切です。
水の量を変える場合は、ほかの条件をなるべくそろえます。同じ絵の具、同じ紙で、水が少ない見本と多い見本を並べます。色の濃さとともに、紙へ広がる様子や、乾いた後の輪郭も見ましょう。水を増やすと望む広がりが得られることもあれば、草の線を保ちにくくなることもあります。どちらも材料を知る手掛かりです。水の量それぞれの働きを、表したい部分との関係から考えて選びます。
筆の動かし方も比べられます。短い線を重ねる案と、曲がる長い線を続ける案では、草の動きやまとまりが違って見えるかもしれません。軽く押す、方向を変える、いったん筆を離すといった動きを小さく試します。一度に圧、水、方向を全て変えると、何が跡の違いを生んだか説明しにくくなります。まず一つずつ比較し、働きをつかんだ後に組み合わせると、意図に応じた工夫を選びやすくなります。
見本ができたら、草のどの部分に使うかを考えます。遠くの草には淡い色の広がりを、手前の一本には曲がる線を選ぶという案もあります。この例で選ぶ色の濃さは、自分が目指す画面の印象に合わせて試し、構想として決めます。自分の主題と画面全体の関係を見て、採用する方法を決めます。用具の扱い方を試した後で表したい内容へ戻すと、技法を表現のための工夫へつなげられます。
道具を使う前には、学校で示された扱い方を確かめます。筆の状態を見ながら、先生と確認した圧の範囲で違いを調べる活動です。紙の裏まで水がしみる場合は、下に敷く物や乾かす場所も用意します。片付けでは絵の具や用具に合う手順を先生の指示で確かめます。これらの準備が整えば、見本を比較しながら落ち着いて表現を工夫できます。使える材料の条件も、方法を選ぶための大切な情報です。
もっと知りたい人へ
見本帳には、実際に引いた跡の横へ「軽く押した」「水を少し増やした」などの操作を書きます。見た目だけを残すより、あとで同じ方法を試しやすくなります。乾く前と乾いた後で印象が変わった場合は、両方の観察を記録しましょう。狙いと違った跡にも、別の場面で使える特徴があるかもしれません。その跡を残しておくと、次に雨、石、木の葉など違う対象を表す際の候補になります。
筆以外の用具を使う場合も、表したい意図から考えます。例えば紙の端を利用して線を付ける架空の試しなら、筆の線とどこが違うかを比べます。試した方法の働きを理解し、意図に合うものを選ぶことが目的です。「この跡は自分の考えた草の軽さに合う」と、材料や用具の特徴と主題をつなげて説明しましょう。友達の方法を知ったときも、実際に試して自分の表現に合うかを考えることが、技能を生かす練習になります。
文部科学省の中学校学習指導要領解説(美術編)は、第1学年の材料や用具の生かし方を扱っています。このページでは、その視点を上の架空の例で考えました。
やってみよう
問題1
筆の圧を比べたい。変えずにそろえる条件の例は?
こたえを見る
筆、紙、絵の具の状態。
圧の違いと跡の関係を考えやすくします。
問題2
水の多い見本で線が広がった。失敗として捨てる必要がある?
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広がりを生かせる表現があるか考え、見本に残せる。
意図との関係で材料の働きを選びます。
問題3
見本帳に跡とともに何を書けばよい?
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圧や水の量、筆の動かし方など。
方法と結果を結び付け、次の表現に使える記録にします。
よくある質問
技法をたくさん覚えるほどよい?
表したいことに合う方法を選べることが大切です。試した方法と意図を結び付けましょう。
友達と同じ道具でも跡が違うのは?
圧や動かし方、絵の具や紙の状態などを比べ、実際の条件を確かめてみましょう。
出典
- 学習指導要領:第1学年 A表現 (2)ア(ア)(「意図に応じて工夫して表す」)
- 文部科学省・中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 美術編、付録3 第1学年2内容(154–155ページ)