同じ紙の飾りも、光の向きで印象が変わる?

独自に作る紙の飾りを同じ場所で照らし、光の向きと見え方の関係を比べます。形、色彩、材料、光を一つずつ確かめ、影や明るさから感じた印象を、個人差も含めて言葉にする方法をオリジナル問題で学びます。
こたえ
光の向きで明るい面や影の位置が変わると、同じ飾りでも違う印象を受けることがあります。形や材料などの条件をそろえて比べ、見える特徴と自分の感じ方を結び付けましょう。
表でみる
| 比べる条件 | 観察する特徴 | 感じ方を述べる例 |
|---|---|---|
| 光を正面から当てる | 面の明るさと影 | 形がまとまって見える |
| 光を横から当てる | 折り目と影の長さ | 起伏が強く感じられる |
| 紙の表面を変える | 反射や細かな跡 | つるつる・ざらざらの印象 |
わけを考えよう
ここでは、自分で折った白い紙の飾りを、同じ机の上で見る架空の比較を考えます。飾りには山形の折り目が三つあり、周りには白い余白を残すという設定です。光が正面から来る場合と横から来る場合を比べます。形や紙は同じでも、明るく見える面や影の位置が変わることがあります。その変化が、自分の受ける印象とどう関係するかを探しましょう。これは、光と見え方の関係から造形的な視点を学ぶ比較です。

最初に、何を変え、何をそろえるか決めます。光の向きを比べたいなら、飾りの形、置く場所、見る方向をできるだけ同じにします。実際に照明を使う授業では、先生が用意した安全に扱える条件で観察する設定にします。先生と確認した光源、置き方、距離で、紙の面と机へ落ちる影を観察します。比較条件がそろうと、印象の違いを光の向きと結び付けて考えやすくなります。条件が変わった場合も、そのことをメモに残します。
見える特徴は、感じ方より先に記録してみます。「左の面が明るい」「折り目の右側に影がある」「机へ落ちる影が長い」といった観察です。その後に「折り目の起伏が強く感じられる」「少し鋭い感じがする」と書きます。影から受ける印象は、形や周囲の色も含めて、その場面で確かめます。見る人の経験や、周りの形や色も印象に関係することがあります。自分の言葉に、どの特徴を根拠にしたかを添えることが大切です。
色彩を比べる場合も、一つずつ条件を変えて違いを確かめます。同じ形の白い紙と淡い色の紙を、同じ光の下で見てみます。明るさの違い、周りとの対比、影の見え方などに注目します。「この色は全員に楽しく感じられる」と決めず、「私はこの組合せから楽しさを感じた」と述べましょう。友達が違う感じ方をしたら、どこに注目したか聞きます。造形的な性質への理解は、さまざまな感じ方とその根拠を考えることでも広がります。
材料の違いは、表面や厚さなどから考えられます。つるつるした紙と、表面に細かな凹凸がある紙では、光の見え方が違うかもしれません。見る方向を少し変えると、反射する部分が変わる場合もあります。実際に確かめた特徴を記録し、材料の種類と見え方の関係から印象を考えます。同じ白い紙という呼び方でも種類はさまざまです。使用した見本をもとに、形、色、材料、光のどれが今回の違いに関わったか考えます。
表現を考えるときは、この比較の経験を意図へつなげます。折り目をはっきり見せたいなら、どの光の下で展示するかも構想の材料になります。柔らかい印象を目指すなら、形の曲がり方や表面の選び方も別に試せます。形、色、材料、光などの条件を一緒に見て、自分の意図に合う組合せを選びます。鑑賞するときにも、作品の形とともに、見ている場所の光や背景に目を向けると、新しいよさを見つけられます。
もっと知りたい人へ
比較の記録は、二つの小さな見取り図と、条件のメモで作れます。光が来る方向に矢印を描き、明るい面と影を言葉で示します。自分で描く見取り図と言葉で、どの違いを観察したか残せます。印象の欄は、観察の欄から線で結び、「この影から起伏を感じた」などと書きましょう。あとで別の光の下で見直した場合は、前の記録と同じ条件かどうかを確かめます。見え方が変わった理由を探す手掛かりになります。
形や色の働きを考えるとき、「丸は優しい」「赤は元気」のような言葉が出ることがあります。それを最初の感想として使い、次に大きさ、数、周りの色、材料などを変えて比べてみましょう。同じ丸でも、密集した配置と広い余白の配置では違って感じるかもしれません。条件を具体的にすることで、単純な決め付けから、自分の表現に役立つ理解へ進めます。感じ方の違いも、造形的な視点を豊かにする大切な情報です。
文部科学省の中学校学習指導要領解説(美術編)は、第1学年の形・色彩・材料・光の性質と効果を扱っています。このページでは、その視点を上の架空の例で考えました。
やってみよう
問題1
光の向きだけを比べたい。そろえる条件の例を二つ挙げよう。
こたえを見る
飾りの形と見る方向。
条件を整理すると光との関係を検討しやすくなります。
問題2
「右側に影がある」と「鋭く感じる」は同じ?
こたえを見る
前者は観察した特徴、後者はそこから受けた印象。
二つを分けた上で根拠として結び付けます。
問題3
友達が同じ色を落ち着くと感じ、自分は楽しいと感じた。次に何を聞く?
こたえを見る
どの形や色の関係に注目したか聞く。
感じ方の違いから新しい造形的な視点を得られます。
よくある質問
形が同じでも印象は変わる?
光や背景、材料の見え方などとの関係で変わる場合があります。条件をそろえて比べましょう。
色の印象に一つの正解はある?
個人差や場面による違いを含めて考えます。具体的な特徴と感じたことを結び付けて説明しましょう。
出典
- 学習指導要領:第1学年 共通事項 (1)ア(「それらが感情にもたらす効果」)
- 文部科学省・中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 美術編、付録3 第1学年2内容(154–155ページ)