読書コーナーの飾りは、場面からどう考える?

静かに本を読む場所を飾るなら、どんな条件から形や色を選ぶでしょう。架空の読書コーナーを例に、用いる場面、飾る範囲、繰り返しや余白を比べ、調和のとれた美しさへ構想を進める方法を考えます。
こたえ
用いる場面と飾る範囲を確かめ、周りの形や色との関係から飾りの構想を練ります。読書コーナーで大切にしたい感じを決めて、形の繰り返しや余白を試しましょう。
表でみる
| 確かめる条件 | この例の設定 | 試す工夫 |
|---|---|---|
| 用いる場面 | 落ち着いて本を読む | 少ない形の繰り返し |
| 飾る範囲 | 棚の側面の細い帯 | 模様を帯に収める |
| 周りとの関係 | 淡い壁と木の棚 | 実物のそばで色を比較 |
わけを考えよう
ここでは、図書室の読書コーナーに置く棚の側面を飾るという架空の計画を考えます。棚には本が並び、壁は淡い色、飾れる場所は細い帯状の範囲という設定です。「好きな模様を描く」という出発点から、どこでどのように使われるかへ考えを進めましょう。同じ模様でも、広い壁に描く場合と棚の側面に置く場合では、適した大きさや密度が変わります。目的と条件を確認すると、選べる工夫が具体的になります。

この飾りで表したい感じを「本の世界がゆっくり続いていく」と決めたとします。すると、葉のような小さな形を一定の間隔でつなぐ案、丸い形を少しずつ変えながら並べる案などが生まれます。主題は場面から考えるため、読書に集中しやすい雰囲気や、棚の形を生かすことも関係します。一方で、落ち着く色や形の感じ方は人によって違います。「この色なら全員が落ち着く」と決め付けず、実際の場所と見る人の感想を手掛かりにします。
構成とは、形や色を全体の中でどう組み合わせるかを考えることです。同じ丸を並べても、間隔をそろえると一定のリズムが見つかり、間隔を広げたり狭めたりすると変化が生まれます。この例では静かな読書の場面に合わせたいので、三つの案を比べます。丸をぎっしり並べる案、間隔を広くする案、端に集めて中央を空ける案です。どこを面白いと感じるかに加え、棚全体と合って見えるかも確かめて選びます。
余白は、模様の周りの空いた部分として計画に含められます。模様の量と空いた部分の関係を見比べて、全体の美しさを考えます。棚の側面を囲む枠がすでに目立つなら、模様を内側へ少し離す案もあります。本の背表紙が色とりどりなら、飾りの色を少なくする案を試せます。周りの色が決まっている条件でも、形の大きさ、向き、配置、色の面積などを選ぶことで、複数の構想を練ることができます。
小さな紙の見本を棚のそばに置き、少し離れた位置から眺めましょう。このページの例では、実際の棚を傷付けず、許可された場所で見本を当てて確かめる設定です。机の上で見た色が、周囲の壁や照明と一緒になると違って感じられる場合があります。模様の細部を見るとともに、棚、壁、本を含めた全体を見ます。見本を比べるときは「私はこの間隔がゆっくり感じられる」と、感じたことと形の特徴を結び付けて話すと役立ちます。
決めた案を説明するときは、目的、条件、工夫の順で話します。「読書の場に合う感じにしたい」「飾れるのは細い帯」「だから小さな形を広い間隔でつなぐ」という説明です。理由がつながれば、条件が変わった場合に何を見直すかも分かります。例えば明るい交流コーナーを飾る計画に変わったなら、形の動きや色の変化を増やす別案も考えられます。美しい装飾を考えるには、場面と表現を結び付ける視点が大切です。
もっと知りたい人へ
形の繰り返しは、同じ形を使うとともに、向きや大きさを変えることでも生まれます。紙に四つの同じ形を描き、向きをそろえた列と交互に向きを変えた列を作ってみましょう。どちらに動きやまとまりを感じるか、根拠を指で示します。ここでは、考えた場面にふさわしい構成を見つけるために案を比べます。模様を自分で新しく考えれば、独自の形や組合せを十分に試すことができます。
記録には、飾る場所の寸法のメモと、三つの案、選ぶ前に聞いた感想を残します。感想が分かれた場合は、誰がどの位置から見たかも書くと、違いを考える材料になります。最終案の横には、模様の大きさや余白を決めた理由を短く添えましょう。装飾は単独の模様だけで完結せず、使う場所と一緒に見られます。その関係を意識して案を選ぶことが、調和のとれた美しさを考える練習になります。
文部科学省の中学校学習指導要領解説(美術編)は、第1学年の構成や装飾の目的や条件を扱っています。このページでは、その視点を上の架空の例で考えました。
やってみよう
問題1
飾れる範囲が細い帯になった。最初に確かめることは?
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帯の大きさと周囲の棚や壁の様子。
範囲と場面の条件を構成に結び付けます。
問題2
同じ丸で二つの構成案を作るには?
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丸の間隔や配置、大きさなどを変える。
形を増やさなくても組合せで変化を試せます。
問題3
「青だから落ち着くはず」という説明を、この場面に合う説明へ直すには?
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この棚のそばで見本を比べ、どの配置や色の面積が自分には落ち着いて見えたか説明する。
色の印象を一律に決めず、具体的な条件と根拠を示します。
よくある質問
飾りはたくさんあった方がよい?
余白も含めた全体の関係で考えます。飾る場面と目的に合わせて比べましょう。
自分の好きな色は使える?
使えます。周りの色や飾る範囲と組み合わせ、目的に合う案を試しましょう。
出典
- 学習指導要領:第1学年 A表現 (1)イ(ア)(「調和のとれた美しさ」)
- 文部科学省・中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 美術編、付録3 第1学年2内容(154–155ページ)