月の形はなぜ変わる?(小学6年「月と太陽」)
お子さんと保護者の方へ。いっしょに読んで、確かめましょう。
いまのことば
月の形はなぜ変わる?(小学6年「月と太陽」)

光っている側に太陽がある
夕方の空に月が見えたら、太陽の位置といっしょに観察してみましょう。月は、太陽のある側が光っています。
月は日によって形が変わって見えますが、そのとき、太陽と月の位置の関係も変わっています。月の形の見え方は、太陽と月との位置関係によって変わるのです。
国立天文台によると、日の入りのころ、三日月は西の空、上弦の月は南の空に見え、満月は東からのぼってきます。三日月と上弦の月は、太陽のある西側が光っています。
モデルや図でたしかめる
実際に観察した月の形を、モデルや図で表してみると、太陽と月の位置の関係が考えやすくなります。数日後の月の見え方を予想してみるのもよい方法です。
月を見るときは、クレーターなど表面のようすにも目を向けてみましょう。夜の観察は、安全に気をつけて、おうちの人といっしょに行いましょう。
昼間の月を観察して太陽の位置をたしかめるときも、太陽を直接見てはいけません。
観察の具体的な手順とノートの記録
月の形の変化をしっかり確かめるためには、いくつかの決まりを作って観察をすることが大切です。月は、一日の間でも時刻によって空を動いて見えるため、日ごとの形のちがいを比べるときは、できるだけ同じ時刻に見るようにします。
観察の4つの手順
- 場所と目印を決める:家のベランダや窓など、いつも同じ場所から空を見ます。近くの建物や木を目印にしておくと、「きのうはあの木の上にあったのに、きょうはずっと南に動いている」といった位置の変化がよくわかります。
- 太陽の方角をたしかめる:夕方の観察では、まず太陽が沈んだ西の方角を確認します。昼間に月を探すときも、太陽を直接見ないようにして、地面の影の向きなどから太陽の位置を確かめましょう。
- 光っている側を見る:月を見つけたら、月のどちらがわが明るく光っているかを見ます。光っている側の向きに太陽があることを自分の目で確かめます。
- ノートに5つの項目をメモする:見たことをその場でノートに書き残します。
観察ノートに書く5つの項目
記録を比べやすくするために、ノートにはつぎの5つのことがらを毎回書き留めます。
- ① 日付(何月何日)
- ② 時刻(夕方5時など、見た時間)
- ③ 月が見えた方角(西、南西、南など)
- ④ 月の形(三日月、半月、満月など)
- ⑤ 光っている側(右側、左側、西側など)
あわせて、スマートフォンなどで月の写真を撮影してノートの横に貼るのも便利です。写真には撮影した時刻が残るため、数日分を並べると形がだんだん満ちていく様子がひと目でわかります。写真を撮るときは、暗い場所での足元の安全に気をつけて、おうちの人といっしょに行いましょう。「きのうよりすこし太くなった」「すこし南の空に見えた」など、気づいたことを一行メモしておくと、あとからの振り返りがしやすくなります。
部屋でできるモデル実験の進め方
月の形がどうして変わるのかを深く理解するために、おうちの部屋で簡単なモデル実験をしてみましょう。ボールを月、懐中電灯を太陽、自分の頭を地球に見立てます。
実験のじゅんび
- ボール:テニスボールやゴムボールなど、片手で持てるもの(白っぽいボールが光の反射を見やすいです)。
- 懐中電灯(またはスタンドライト):太陽の役をします。
- 暗くできる部屋:カーテンを閉めて部屋の明かりを消します。
実験の具体的操作
- ステップ1:太陽をセットする
部屋のすみに懐中電灯を置き、自分のいる方向へ向けて照らします。このライトの位置は動かしません。 - ステップ2:ボールを持って腕をのばす
自分の目の高さでボールを持ち、腕をまっすぐ前にのばします。 - ステップ3:その場でゆっくり回る
自分の体をその場でゆっくり回転させながら、ボールの光っている部分の見え方を観察します。- ライトの方向にボールを近づけると、ボールの影の側が見え、細い三日月の形になります。
- ボールが、自分から見てライトと直角(90度)の向きに来るまで回ると、ボールのちょうど半分が光って見え、半月になります。
- ライトに背を向けて、頭の影がかからないよう、ボールを少し上にかかげて、ボールにしっかり光が当たる位置にすると、ボール全体が丸く光って見え、満月になります。
このように、ボール自身はいつも半分だけ光を受けているのに、地球(自分)から見る位置が変わることで、見える形が変わることが手でさわるように確かめられます。
観察を続ける工夫と会話例
くもりの日や雨の日はどうする?
観察の途中で雲が広がって月が見えない日があっても、がっかりする必要はありません。そんな日は、まえの日までのノートを開いて、「きのうは三日月だったから、きょうはすこし太くなっているはず」「きのうより南の高いところに出ているかな」と予想をノートに鉛筆で書いておきます。次に晴れた日に月を見て、「予想どおり半月に近づいていた!」と答え合わせをすることで、見えない日も観察を途切れさせずに楽しく続けられます。
図にかいて言葉で説明してみる
ノートには丸と矢印を使ったシンプルな図をかいてみましょう。真ん中に「地球(自分)」をかき、西に「太陽」、そして空の方角に「月」をかきます。太陽から月に向かって矢印を引き、「ここから光が当たっているから、月のこっちがわが光るんだよ」とおうちの人に指さしながら話してみると、頭のなかの理解がすっきりとまとまります。
親子での問いかけ会話例
親:「きょうの月、どこに見えるかな?」
子:「あそこの大きなビルの上!南西の空にあるよ」
親:「どちらがわが明るく光っている?」
子:「右側が光ってる!」
親:「さっき太陽が沈んだのはどっちの方角だったっけ?」
子:「あっちの西の空。あ、太陽のあった西側と、月の光っている向きがぴったり同じだ!」
親:「そのとおり。月は太陽の光を反射して輝いているからなんだね」
考えてみよう
- 問一夕方に見える月のどちら側が光っているか、太陽の位置といっしょに記録してみましょう。
- 問二ボールと懐中電灯を使って、三日月・半月・満月の見え方をつくってみましょう。
- 問三明日、明後日の月の形を予想して、実際の月とくらべてみましょう。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
よくある質問
月の形は、一日のうちでも変わりますか?
いいえ、一日のなかで月の形そのものが大きく変わることはありません。時刻によって東から南、西へと空の位置を動いていきますが、形はほぼ同じです。月が地球のまわりを回ることで、太陽と月と地球の位置が日にちをかけてすこしずつ変化するため、毎日同じ時刻に見たときに形が変わって見えます。
昼間にも月が見えることがあるのはなぜですか?
月は夜だけに出ているのではなく、昼間も空にのぼっています。国立天文台によると、半月より大きな月は、青空の中でもかんたんに見つけられます。半月より細い月は、明るい太陽の近くにあるので、見つけにくいことがあります。昼間の月を見るときは、太陽を直接見ると目をいためて危険ですので、建物の陰に太陽をかくすなどして安全に観察しましょう。
天気が悪くて月が見えない日は、観察はお休みですか?
お休みにせず、前日までのノートから「きょうはどんな形でどの方角にいるか」を予想する日にしてみましょう。予想をノートに書いておけば、次に晴れた日に見たとき「考えていたとおりに太くなっていた」とたしかめることができ、観察の楽しさがぐんと深まります。
上弦の月と下弦の月はどうやって見分けますか?
どちらも半分の形をした半月ですが、光っている向きがちがいます。夕方の南の空に見えて右側(西側)が光っているのが「上弦の月」です。これに対して、夜中からのぼり、明け方の空で左側(東側)が光っているのが「下弦の月」です。さらに日にちがたつと、上弦の月は満月へ、下弦の月は細い月(新月)へと向かいます。
小学6年「月と太陽」で学ぶ内容(月の光っている側に太陽があること、形の見え方と位置関係、モデルや図での学習、太陽を直接見ないこと)と、日の入りのころの三日月・上弦の月・満月の見え方は、文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編」、国立天文台「月はいつどんなふうに見える?昼間も見えるの?」によります。
本文は株式会社士心が作成したものです。
