中学1年の美術|目的と機能に合う造形の構想を練る
中学1年生のお子さんに、家で「デザインや工芸の構想の練り方」をアドバイスする保護者の方へ。目的や使う相手を意識しながら、美しさと機能が調和したアイデアを引き出す声かけの手順です。

中学校の美術におけるデザインや工芸の学習では、単に好きな形を描くだけでなく、「何のために」「だれに向けて」「どのように使われるか」といった目的や条件を整理して構想を練ることが大切になります。家庭での対話を通して、アイデアを具体化する視点を広げていきましょう。
構成や装飾の目的と、相手に伝える構想
学習指導要領では、次のように示されています。
「(ア) 構成や装飾の目的や条件などを基に,対象の特徴や用いる場面などから主題を生み出し,美的感覚を働かせて調和のとれた美しさなどを考え,表現の構想を練ること。」
「(イ) 伝える目的や条件などを基に,伝える相手や内容などから主題を生み出し,分かりやすさと美しさなどとの調和を考え,表現の構想を練ること。」
ポスターやマーク、装飾的な構成などを考えるときは、飾る場所や用いる場面の特徴をとらえ、だれに何を伝えるのかという目的を明確にしながら、美しさと分かりやすさの調和を意識してアイデアをまとめます。
- 「これはどんな場所で使ったり飾ったりするものかな?」
- 「見る人に一番伝えたいことや、気づいてほしいポイントはどこかな?」
使う人の気持ちと機能・美しさの調和
使うことを目的とするものづくりについては、次のように示されています。
「(ウ) 使う目的や条件などを基に,使用する者の気持ち,材料などから主題を生み出し,使いやすさや機能と美しさなどとの調和を考え,表現の構想を練ること。」
日用品や生活で使う道具のデザインでは、実際に手にする人の気持ちを想像することが出発点になります。適した材料を選びながら、使いやすさや機能性だけでなく、見た目の美しさとも無理なく調和した形を考えていきます。
- 「これを使う人は、どんなときにどんな持ち方や使い方をするかな?」
- 「使いたい材料の良さを生かすなら、どんな形がぴったり合いそうかな?」
つまずきやすいポイントと声かけ
| こんなとき | こう聞いてみる |
|---|---|
| 「何を描けばいいか・作ればいいか思いつかない」と手が止まっている | 「まずは『だれが・どんな場面で使うものか』を1つ決めて、そこからアイデアを広げてみようか」と目的を絞る声かけをする |
| 見た目の派手さや装飾ばかりにこだわってしまう | 「遠くから見たときにも伝わりやすいかな? 実際に手で持ったときは使いやすいかな?」と機能や分かりやすさとのバランスを振り返らせる |
| 材料の選び方や扱い方に迷っている | 「その材料の軽さや手触り、丈夫さなどの特徴を活かすなら、どんな形にできそうかな?」と材料の良さに着目させる |
よくある質問
絵や造形があまり得意ではない子どもにはどう接すればよいですか?
絵の巧みさそのものよりも、「だれに向けて」「どんな目的で」作られているかという理由や工夫を大切にし、考えた発想や見どころを具体的に認めてあげることが意欲につながります。
構想を練るスケッチの段階ではどんなアドバイスが効果的ですか?
最初から1つの案に決め込まず、形や配置を変えた小さなスケッチをいくつか描き比べさせると、目的や条件に一番合った形を選びやすくなります。
出典
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」図工・美術・第1学年(PDFの110ページ)(公式PDF)
最終確認日:2026年10月15日
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