中2 数学|四分位範囲と人数を分ける
箱ひげ図の箱が長いと人数も多い?

箱ひげ図の箱の長さは、中央付近のデータがどれくらい広がっているかを表します。箱が長いことだけから人数が多いとは言えません。値の軸と人数を区別して読みましょう。
箱は「人数の棒」ではない
棒グラフでは、高さが人数を表すことがあります。その感覚のまま箱ひげ図を見ると、長い箱ほど人数が多いと思ってしまうことがあります。箱ひげ図では、まず軸が何の値を表しているかを読みます。テストの得点なら箱の長さも得点の開きと関わるもので、人数の長さではありません。
ここでは、横軸に得点をとる箱ひげ図を考えます。箱の左端が第1四分位数、右端が第3四分位数です。この二つの差が四分位範囲です。箱の中の仕切り線は中央値で、平均値を示す線ではありません。
8個のデータで四分位数を確かめる
練習用として、ある8人の得点を小さい順に、10、20、30、40、50、60、70、80点とします。真ん中の二つは40と50なので、中央値は(40+50)÷2=45点です。
中央値を求めたあと、下半分の10、20、30、40の中央値を考えます。真ん中の20と30の平均なので、第1四分位数は25点です。上半分の50、60、70、80では、60と70の平均65点が第3四分位数です。このページの例は個数を8個にそろえ、四分位数の分け方が分かりやすい例にしています。
| 読み取る値 | この例の値 | 求め方 |
|---|---|---|
| 最小値 | 10点 | 一番小さい値 |
| 第1四分位数 | 25点 | 下半分の中央値 |
| 中央値 | 45点 | 全体の真ん中の二つの平均 |
| 第3四分位数 | 65点 | 上半分の中央値 |
| 最大値 | 80点 | 一番大きい値 |
四分位範囲は65−25=40点です。最大値と最小値の差80−10=70点は全体の範囲であり、四分位範囲とは区別します。「どこからどこまで引いた値か」を、言葉でも説明しましょう。
人数が同じでも、箱の長さは変わる
別の8人の得点を、35、40、40、45、45、50、50、55点とします。中央値は45点、第1四分位数は40点、第3四分位数は50点です。四分位範囲は10点になります。
| 練習用の集団 | 人数 | 第1四分位数 | 中央値 | 第3四分位数 | 四分位範囲 |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 8人 | 25点 | 45点 | 65点 | 40点 |
| B | 8人 | 40点 | 45点 | 50点 | 10点 |
同じ目盛りで描けば、Aの箱はBより長くなります。それでも人数は両方8人です。つまり長い箱は、多い人数を意味していません。この例ではAの中央付近の値の広がりがBより大きいことを表しています。
箱ひげ図だけでは分からないこと
箱ひげ図から全員の点数を元どおりに知ることはできません。中央値などの値が同じでも、途中の得点の並び方が違う集団は考えられます。箱ひげ図はデータの特徴を要約するための表示です。
人数が図の外に示されていなければ、箱の長さだけで総人数は決まりません。また、仕切り線は中央値なので、そこから平均点が45点だと決めることもできません。平均を知りたいなら、平均の記載やもとのデータを確認します。
「箱の左右には必ず同じ人数の異なる点数が入る」という言い方にも注意します。同じ点数が何度も出ることがあるため、数直線上の区間の境目と人数を単純に結び付けないようにします。
比べる前に軸とひげの約束を読む
二つの箱の長さを目で比べる前に、軸の単位と目盛りを確認します。片方が10点刻み、もう片方が5点刻みで別々に描かれているなら、紙の上の長さだけを比べることはできません。四分位範囲を数値で確かめます。
このページの例では、ひげの両端を最小値と最大値にする読み方を想定しています。実際の新聞や統計ソフトなどの図では、ひげの決め方が異なることがあります。総務省統計局も、ひげの両端が何を表すかを確かめるよう案内しています。図の注記を読む習慣をつけましょう。
練習問題
問題1。第1四分位数が12分、第3四分位数が20分の箱ひげ図があります。四分位範囲を求めましょう。
問題2。二つの集団の箱ひげ図は同じ目盛りで描かれ、Cの四分位範囲は18点、Dは10点でした。「Cの方が人数が多い」と言えますか。
問題3。データ2、4、4、6、8、10、12、14の中央値、第1四分位数、第3四分位数、四分位範囲を求めましょう。
問題4。箱の中の仕切り線が60点だったので、「平均点は60点だ」と読みました。この読み方は正しいですか。
答えと解説
問題1は20−12=8分です。数だけでなく、もとのデータと同じ単位の分を付けます。
問題2は言えません。Cの中央付近の値の広がりが、四分位範囲で見るとDより大きいとは言えますが、人数の情報は別に必要です。
問題3の中央値は(6+8)÷2=7、第1四分位数は(4+4)÷2=4、第3四分位数は(10+12)÷2=11、四分位範囲は11−4=7です。全体の範囲14−2=12と取り違えないようにします。
問題4は正しくありません。仕切り線は中央値です。平均値が同じ60点になる可能性はあっても、仕切り線だけを根拠には決められません。
よくある質問
箱が短い集団の方が優秀ですか
短い箱が示すのは中央付近の散らばりの小ささです。点数の高低や学習の評価とは別です。何の目的で比べるのかに合わせて、中央値やほかの情報も確認します。
中央値はいつも実際にある得点ですか
データの個数が偶数なら、中央の二つの値の平均をとるため、実際の得点にない数になることがあります。このページの45点の例でも、最初の集団の得点に45はありません。
図から人数を知りたいときはどうしますか
人数が記された説明や元の表を探します。書かれていなければ、人数は分からないと区別することが、正確な読み取りです。
答えのページやPDF、音声・ゲームは、無料の寺子屋会員が使えます(メールアドレスだけで登録・パスワードなし)。無料登録はこちら。
