社会・資料を読んで考える
中学公民|区の予算を1ページ読む——歳入・歳出と「予算」「決算」の違い

区の資料にある「1,878億円」。何年度の、何の数字でしょう。新宿区の予算資料を1ページ読み、年度、単位、収入の種類を確かめます。
1 予算と決算を分ける
予算は、一定の年度に、収入をどれだけ見込み、何にいくら支出するかを定める計画です。決算は、その年度に実際に入ったお金と使ったお金の結果をまとめたものです。計画を読んでいるのか、結果を読んでいるのかを、見出しで確かめます。
歳入は収入、歳出は支出です。「歳入だから税金だけ」と考えず、内訳も見ます。
2 まず一枚の資料を開く
使うのは、新宿区の公式資料「新宿区の財政(8年度)」冊子1ページ〔PDF2ページ〕です。表紙には「令和8年3月」とあります。冊子1ページ上部には「令和8年度一般会計歳入 当初予算」と書かれています。
令和8年度は2026年度です。ここで読むのは、令和8年度・一般会計・歳入・当初予算の数字です。年度の途中の変更を反映した最新の予算額や、年度終了後の決算額と同じだとは考えません。
| 資料の項目 | 資料に示された額 | 歳入全体に占める割合 |
|---|---|---|
| 一般会計歳入の総額 | 1,878億円 | 100% |
| 特別区税 | 609億円 | 32.4% |
| 国庫支出金 | 343億円 | 18.3% |
| 特別区交付金 | 331億円 | 17.6% |
| 地方消費税交付金 | 163億円 | 8.7% |
内訳の金額と割合は、公式資料の表示を使っています。ここで選んだ四つ以外にも収入があるので、この表の内訳だけを足して総額と比べ、「間違いだ」とは言えません。
3 税金以外の収入も読む
資料は、特別区税の例として区民税やたばこ税などを挙げています。国庫支出金は国からの負担金・補助金などです。同じ「収入」でも、お金がどこから来るかが違います。
資料の説明は、使い道が特定されずに使用できる一般財源と、使い道が特定されている特定財源も分けています。金額が大きいかだけでなく、どのような収入なのかを読むことが大切です。
見出しで範囲を決める → 単位を見る → 総額と内訳を分ける → 説明文で意味を確かめる
4 予算の読み取り練習
問1 このページの1,878億円は、何年度・何会計・歳入か歳出か・予算か決算かを答えよう。
答えと考え方を見る
令和8年度(2026年度)、一般会計、歳入、当初予算です。金額だけでなく、見出しの四条件を付けて答えます。
問2 特別区税609億円は、609万円と同じですか。
答えと考え方を見る
同じではありません。1億円=10,000万円なので、609億円=6,090,000万円です。609万円より10,000倍大きい金額です。数字を読む前に、億円という単位を確かめます。
問3 表の特別区税と国庫支出金の、資料に示された額の差は何億円ですか。
答えと考え方を見る
609−343=266億円です。どちらも同じ年度・会計・歳入予算で、同じ億円単位なので、この表示額どうしで差を計算できます。これを歳出や利益の額とは呼びません。
問4 このページだけで「令和8年度に区が実際に使ったお金は1,878億円だった」と言えますか。
答えと考え方を見る
言えません。これは歳入の当初予算で、実際の歳出の決算ではありません。実際に使った額は、同じ年度・会計の歳出決算の資料で確かめる必要があります。
問5 特別区税が歳入の32.4%なので、「歳入はすべて区の税金だ」と言えますか。
答えと考え方を見る
言えません。特別区税は歳入の一部で、国庫支出金などの別の収入も示されています。収入全体と、一つの項目を区別します。
5 次に調べたい問いを作る
「教育にいくら使う予定か」なら歳出の資料へ、「計画と実際の結果はどう違ったか」なら同じ年度・同じ会計の予算と決算へ進みます。まず今の1ページで分かったことを短く書き、次の問いに合う資料を選びましょう。
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