社会・資料を読んで考える
中学地理|人口が多いまちは、どこも混んでいる?——人口・面積・人口密度を読み分ける

人口9万人のB市と、6万人のA市。人口だけを見て「B市のほうが、どこも混んでいる」と言えるでしょうか。人口、面積、人口密度を別々に読んでみます。
1 人数と、単位面積あたりの人数
人口密度は、地域の人口を面積で割って求めます。総務省統計局の統計FAQでは、1平方キロメートルあたりの人口密度を、全国・都道府県・市区町村別に調べられると説明しています。
人口密度(人/km²)=人口(人)÷面積(km²)
人口は人数そのもの。人口密度は、広さを1km²にそろえたときの平均の人数です。同じ人口でも、面積がちがえば人口密度は変わります。
2 三つの架空の市をくらべる
以下のA市・B市・C市と数値は、学習用の架空データです。人口は同じ日の設定、面積は同じ単位とします。実際の統計や、同じ名前の自治体を示すものではありません。
| 市 | 人口 | 面積 | 人口密度 |
|---|---|---|---|
| A市 | 60,000人 | 30km² | 60,000÷30=2,000人/km² |
| B市 | 90,000人 | 90km² | 90,000÷90=1,000人/km² |
| C市 | 60,000人 | 60km² | 60,000÷60=1,000人/km² |
人口が最も多いのはB市。人口密度が最も高いのはA市です。B市とC市は人口がちがいますが、人口密度は同じです。何を比べたいのかによって、使う数値が変わります。
3 平均と、実際の分布はちがう
次は、どちらも面積4km²、人口400人の架空の地域です。四つの区画はそれぞれ1km²で、区画の数値はそこに住む人数です。
| 地域 | 区画1 | 区画2 | 区画3 | 区画4 | 全体 |
|---|---|---|---|---|---|
| P | 100人 | 100人 | 100人 | 100人 | 400人÷4km²=100人/km² |
| Q | 400人 | 0人 | 0人 | 0人 | 400人÷4km²=100人/km² |
全体の人口密度は同じでも、Qでは人が住む区画が偏っています。だから、市全体の人口密度だけでは、市内の一つ一つの場所のようすは決められません。また、人口の資料だけで、通勤時間の駅や観光地の混雑まで判断することもできません。
4 資料を読んで答えよう
問1 A市とB市のうち、人口が多い市、人口密度が高い市はそれぞれどこですか。
答えと考え方を見る
人口はB市、人口密度はA市です。人数の列と人口密度の列を分けて読みます。B市は人口が1.5倍でも、面積はA市の3倍なので、人口密度はA市の半分です。
問2 C市の人口密度を、式と単位をつけて求めよう。
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60,000人÷60km²=1,000人/km²です。答えに「人」だけでなく「1km²あたり」を示す単位をつけます。
問3 「PとQは人口密度が同じだから、どの区画にも同じ人数が住む」は正しいですか。
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正しくありません。人口密度は地域全体の平均です。Qは一つの区画に400人が住み、残りは0人なので、分布はPと異なります。
問4 実際の二つの市を比べる前に、人口密度の値以外で何を確かめますか。二つ挙げよう。
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例:人口の基準日、地域の範囲、面積の単位を確かめます。異なる時点や範囲の数字を、そのまま同じ条件の比較にしないようにします。このうち二つを理由とともに説明できればよいです。
5 数字から言えるところまで
資料について書くときは、「人口はB市が多い」「人口密度はA市が高い」のように指標の名前を主語にします。「B市はどこも混雑する」など、数値が直接示していない内容まで広げないようにしましょう。
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