社会・資料を読んで考える
小5社会|工場はなぜその場所にある?——港・道路・働く人から立地を考える

海の近くにも、内陸にも工場があります。「港に近いから」の一言で、どの工場の場所も説明できるでしょうか。必要な条件を決めてから、候補地をくらべます。
1 場所を選ぶための条件
工場などをどこに置くかを考えることを、ここでは立地を考える、といいます。経済産業省の「METI土地ナビ」は、産業用地を探すときに、土地の面積や価格、高速道路のインターチェンジまでの距離、港までの距離、工業用水道などの条件を比べられるようにしています。
港から材料を運ぶなら港への道、トラックで製品を運ぶなら道路へのつながり、というように、工場が何を、どこから運び、どこへ届けるかと条件を結びつけます。距離だけで実際の所要時間や輸送費まで決まるわけではありません。
2 仮の工場で選ぶ練習
次の工場、候補地、距離、人の条件は、すべて学習用に作った架空の例です。実在する会社や地域の立地理由を示す資料ではありません。
工場Xは、港から届く材料を使い、完成品をトラックで運びます。この練習では、次の三つを全部満たす土地を選ぶことにします。
- 港まで10km以内。
- 高速道路のインターチェンジまで5km以内。
- 仕事を覚えた人が通える体制を用意できる。
| 候補地 | 港まで | 高速道路ICまで | 働く人の体制 |
|---|---|---|---|
| A | 3km | 12km | 用意できる |
| B | 8km | 2km | 用意できる |
| C | 20km | 1km | 用意できない |
ICはインターチェンジの略です。この表の距離は、教材で与えた比較用の値です。「働く人の体制」はこの工場Xだけの設定で、その地域の人全体の働く力を表すものではありません。
材料を入れる港→つくる工場X→製品を運ぶ高速道路
3 条件と理由を結びつけよう
問1 三つの条件を全部満たすのはA・B・Cのどこですか。
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Bです。港8kmは10km以内、ICまで2kmは5km以内で、人の体制も用意できます。AはICまでの距離、Cは港までの距離と人の体制が条件に合いません。
問2 「港にいちばん近いAが、必ずいちばんよい」と言えますか。
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言えません。今回の工場Xは三条件を全部満たすことが必要です。Aは港に近くても、ICまで12kmなので、5km以内という条件に合いません。
問3 工場XがBを選ぶ理由を、港・道路・働く人の三つを使って書こう。
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例:Bは港まで8km、ICまで2kmで決めた距離の条件に合い、仕事を覚えた人が通う体制も用意できるから。表の数値と条件を結びつけて説明します。「便利そうだから」だけでは、何が合ったか分かりません。
問4 表だけで、Bの土地代が一番安いと分かりますか。
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分かりません。土地代の欄がないからです。安いと判断するには、面積と価格などの資料が必要です。表にない理由は書き足しません。
4 実際の工場を調べるなら
会社や自治体の公式資料から、材料、運び方、必要な土地や水などを探します。地図から自分が考えた理由は「考えられる理由」、資料に会社の説明として書かれた理由は「資料で確かめた理由」と分けて書きましょう。近くに港があるだけで、その会社が港のために選んだとは決められません。
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