十七
故 事 成 語 ・ 十 七
嵐が来たら、敵どうしでも手を貸し合う。
『孫子』より
いまのことば
仲の悪い者どうしが同じ場所に居合わせること。
また、そういう者どうしが力を合わせることも指します。
ことばの景色
『孫子』の九地篇にこうあります。呉の人と越の人は互いに憎み合っているが、同じ舟で川を渡っていて大風に遭えば、左右の手のように助け合う——と。
呉と越は、臥薪嘗胆の舞台になった二つの国です。「あれほど憎み合った二国でさえ」という前提があるからこそ、このたとえは効きます。
『孫子』は戦い方を説いた書物ですが、この一節が言いたいのは「兵をどう一つにまとめるか」ということでした。同じ舟に乗せて、逃げ場のない状況に置く——背水の陣と通じる考え方です。
考えてみよう
- 問一苦手な相手と力を合わせた経験を、書いてみましょう。
- 問二「同じ舟」に当たるものは、学校や家では何でしょう。
- 問三左右の手は、どうやって息を合わせているのでしょう。
答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。
豆知識——
呉と
越は、いまの
中国の
長江の下流あたりにあった
国です。
地理の間では、
川が
国の
形をどう
決めてきたかを
扱っています。