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故事成語・十二 虎の威を借る狐

狐きつねが偉えらそうに歩あるく。けれど、みんなが恐おそれていたのは狐きつねではなかった。
『戦国策せんごくさく』より

お子さんと保護者の方へ。故事成語・十二 虎の威を借る狐を、いっしょに確かめましょう。

いまのことば

虎の威を借る狐の意味と由来は?

力ちからのある者ものの後うしろ盾だてを使つかって、いばること。

ことばの景色

虎とらに捕つかまった狐きつねが言いいました。「私わたしは天てんの使つかいだ。食たべれば天てんに背そむくことになる。うそだと思おもうなら、私わたしの後うしろをついて歩あるいてみなさい」。虎とらがそのとおりにすると、けものたちはみな逃にげていきました。虎とらは、けものが自分じぶんを恐おそれているとは気きづかなかったのです。

この話はなしは、もともと家来けらいが王おうに説明せつめいするためのたとえ話ばなしでした。「あの将軍しょうぐんが恐おそれられているのは、その人ひとの力ちからではなく、王おうさまの軍ぐんを預あずかっているからです」——そう伝つたえるための例たとえです。

出典しゅってんの『戦国策せんごくさく』は、戦国時代せんごくじだいの遊説ゆうぜいの家いえの弁論べんろんを国くにごとにまとめた書物しょもつで、この話はなしは「楚そ」の巻まきに見みえます。人ひとを動うごかすために、たとえ話ばなしがどれほど使つかわれたかが分わかります。

考えてみよう

  • 問一自分じぶんの力ちからと、まわりから借かりている力ちからを分わけて書かいてみましょう。
  • 問二たとえ話ばなしで説明せつめいすると、伝つたわりやすいのはなぜでしょう。
  • 問三虎とらの側がわに立たつと、この話はなしはどう見みえますか。

答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。

豆知識——動物どうぶつが出でてくる故事成語こじせいごは多おおく、塞翁が馬も井の中の蛙もそうです。生物せいぶつの間までは、その動物どうぶつたちの本当ほんとうの暮くらしを扱あつかっています。
原文について
この記事が扱っている『故事成語』は、中国の古典に由来する言い回し。この回のもとの話は『戦国策』に記されています。
もとの話を載せる『戦国策』の版本は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『戦国策』で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。

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