十三
故 事 成 語 ・ 十 三
同じ数なのに、猿たちは喜んだ。
『荘子』より
いまのことば
目先の違いにとらわれて、結果が同じだと気づかないこと。
また、ことばで人をうまく操ることにも使われます。
ことばの景色
猿を飼う人が、餌のとちの実を減らすことにしました。「朝に三つ、暮れに四つでどうか」と言うと、猿たちは怒りました。そこで「では朝に四つ、暮れに三つにしよう」と言い直すと、猿たちはみな喜んだといいます。合計は七つで、まったく同じです。
この話は『荘子』の斉物論に見え、『列子』にも同じ話があります。『荘子』では、猿を笑うためではなく、「同じものを違うと見てしまう人間」を映す鏡として置かれています。
日本では「目先の違いにだまされる」という意味で使われることが多い一方、「うまいことを言って人を丸め込む」という意味で使う場合もあります。同じ四文字でも、猿の側に立つか飼い主の側に立つかで意味が変わるのです。
考えてみよう
- 問一中身が同じでも、言い方で印象が変わった経験はありますか。
- 問二朝に多くもらうほうが得だ、と言える理由を考えてみましょう。
- 問三「合計は同じ」を確かめる計算を、式に書いてみましょう。
答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。
豆知識——
三+
四=
七、
四+
三=
七。
足す順番を変えても答えは変わりません。これは
算数・数学の間で
学ぶ「
交換のきまり」そのものです。