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東海道・大礒宿

旧暦きゅうれき五月ごがつ二十八日にじゅうはちにちに降ふる雨あめには、名前なまえがついていました。

お子さんと保護者の方へ。東海道・大礒宿を、いっしょに確かめましょう。

いまのことば

東海道の大磯宿とは?

大磯おおいそは東海道の八番目の宿場。
広重の題だいは「虎とらヶ雨あめ」——雨あめの宿場しゅくばです。

雨に名前をつける

「虎とらヶ雨あめ」は、旧暦きゅうれき五月ごがつ二十八日にじゅうはちにちごろに降ふる雨あめの呼よび名なです。曾我兄弟そがきょうだいの物語ものがたりにゆかりのある女性じょせいの名なから来きていると語かたり継つがれてきました。特定とくていの日ひの雨あめに名前なまえがついている——日本にほんの天気てんきのことばの細こまかさを示しめす例れいです。

土山の春はるの雨あめ、庄野の白雨はくう、そして大磯おおいその虎とらヶ雨あめ。広重ひろしげは雨あめを何度なんども描えがき分わけました。同おなじ「雨あめ」でも、季節きせつも降ふり方かたも違ちがう。絵えを並ならべると、雨あめの図鑑ずかんになります。

大磯おおいそは相模湾さがみわんに面めんした海辺うみべの宿場しゅくば。明治めいじ以降いこうは海水浴場かいすいよくじょうや別荘地べっそうちとして知しられるようになりました。街道かいどうの宿場しゅくばが、時代じだいとともに別べつの役割やくわりを見みつけた例れいです。

考えてみよう

  • 問一雨あめの呼よび名なを、五いつつ集あつめてみましょう(五月雨さみだれ・時雨しぐれなど)。
  • 問二同おなじ天気てんきでも季節きせつで名前なまえが変かわるもの——三みっつ挙あげてみましょう。
  • 問三広重ひろしげの雨あめの絵えを探さがして、線せんの引ひき方かたを見み比くらべてみましょう。

答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。

豆知識——天気てんきに名前なまえをつけるのは、暦こよみの考かんがえ方かたと同おなじです。七十二候しちじゅうにこうも、五日いつかごとに名前なまえをつけていました。細こまかく名前なまえをつけるほど、細こまかく見みえるようになります。
原文について
この記事が扱っている『東海道五十三次』は、江戸時代の五街道のひとつ。宿場や道中の様子は、当時の道中記や名所図会に記録されています。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『東海道名所図会』で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。

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