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東海道・庄野宿

突然の夕立に、坂道の旅人たちが駆け出す——広重「庄野しょうの白雨」は、蒲原かんばらの雪と並ぶ五十三次の最高傑作です。

お子さんと保護者の方へ。東海道・庄野宿を、いっしょに確かめましょう。

いまのことば

東海道の庄野宿とは?

庄野しょうのは伊勢国の小さな宿場。
広重は、ここを舞台に「白雨(にわか雨)」の一瞬を描いた。

描かれた一瞬

竹やぶが風にしなり、駕籠かごかきは駆け、蓑の男は前かがみに急ぐ。斜めに走る雨の線——広重の「庄野しょうの白雨(しょうのはくう)」は、雨の「音」まで聞こえると評される一枚です。

蒲原かんばらの雪(第六章)が「静」の傑作なら、庄野しょうのの雨は「動」の傑作。しかも描かれているのは、雨そのものではなく、雨に反応する人間たちの動きです。景色は、人がいてはじめて物語になる——広重の構図の秘密です。

庄野しょうの宿自体は小さな宿場で、絵の坂道がどこかも、実ははっきりしません。それでも「庄野しょうの」の名は、この一枚で永遠になりました。

考えてみよう

  • 問一夕立に降られたときの体の動きを思い出してみましょう。絵の人たちと同じですか。
  • 問二「静の蒲原かんばら・動の庄野しょうの」。あなたはどちらの絵に惹かれますか(画像を検索して見比べを)。
  • 問三雨・雪・風。天気を絵や写真で表すとき、何を描けば伝わるでしょう。

答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。

豆知識——「白雨」は夕立のこと。ゴッホをはじめ、広重の雨の描き方はヨーロッパの画家たちに衝撃を与え、模写も残っています。庄野しょうのの雨は、海を渡って世界の美術史に降りました。
原文について
この記事が扱っている『東海道五十三次』は、江戸時代の五街道のひとつ。宿場や道中の様子は、当時の道中記や名所図会に記録されています。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『東海道名所図会』で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。

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