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中学校の英語で学ぶ「音声」は、学習指導要領で5つに分けて示されている。現代の標準的な発音、語と語の連結による音の変化、語や句・文における基本的な強勢、文における基本的なイントネーション、文における基本的な区切りである。文部科学省の解説は、この5つを小学校で慣れ親しんだことの続きとして位置づけ、中学校では聞く・話すだけでなく、音読など「読むこと」でも使えるように指導するとしている。
出典:文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」本文PDF/文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」/文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語活動・外国語編」
学習指導要領が挙げる「音声」の5つ
中学校学習指導要領の外国語科(英語)は、「言語材料」の最初に「音声」を置き、次の事項を取り扱うとしている。
| 記号 | 学習指導要領の言葉 |
|---|---|
| (ア) | 現代の標準的な発音 |
| (イ) | 語と語の連結による音の変化 |
| (ウ) | 語や句,文における基本的な強勢 |
| (エ) | 文における基本的なイントネーション |
| (オ) | 文における基本的な区切り |
小学校5・6年の外国語科でも同じ5つが並んでいるが、小学校は「次に示す事項のうち基本的な語や句,文について取り扱うこと」とされている。中学校は「次に示す事項について取り扱うこと」で、扱う語や文の範囲が広がる。以下、解説が書いていることを1つずつ見ていく。
(ア) 現代の標準的な発音
解説は、「特定の地域やグループの人々の発音に偏ったり,口語的過ぎたりしない,いわゆる標準的な発音を指導する」としている。目指すのは、多様な人々とのコミュニケーションが可能となる発音である。
そのうえで、母音や子音の種類や数が英語と日本語では異なること、また school や street、books のように英語では子音が続くことがあることなど、日本語と英語の音声の特徴や違いに十分留意する必要がある、と書いている。
小学校の外国語科では、/ei/、/biː/、/siː/ など文字の名称や、基本的な語の発音を扱っている。解説は、同じ文字でも語によって発音が異なるなど学習が難しいものもあることを踏まえ、中学校でも引き続き指導する、としている。
(イ) 語と語の連結による音の変化
解説は、「英語を話すときには,一語一語を切り離して発音せず,複数の語を連続して発音することが多い」と書いている。語と語を連結させることで英語を滑らかに、リズミカルに話せる一方、「このような音の連続が英語の聞き取りを難しくしている面もあり,英語を聞くときもこの音変化に慣れておくことが必要である」としている。
解説が挙げている例は、次の3つの型である。
| 型 | 解説の例文 |
|---|---|
| 2語が連結する場合 | There is an apple on the table. / Take it easy. |
| 連結するとき、一部の音が脱落する場合 | What time is it now? / I don’t know. |
| 連結するとき、二つの音が影響しあう場合 | Would you tell me the way to the library? / Why don’t you join us? |
中学校では、音声で十分に慣れ親しんでいない表現や文でも、音の変化に関する知識を使えるように指導する、と解説は書いている。
(ウ) 語や句、文における基本的な強勢
解説は、英語の語や句、文にはそれぞれ強く発音される部分とそうでない部分があり、強勢がほぼ等間隔に置かれることで英語特有のリズムが生まれる、と説明している。「英語は日本語と違って強弱によってアクセントを付ける場合が多く,日本語とは異なるこのような英語のリズムを習得することが重要である」としている。
中学校では、record のように品詞によって強勢の位置が異なるもの(動詞と名詞)や、newspaper のように一番強い強勢だけでなく二番目に強い強勢をもつ語があることも指導する。また、文の中では重要な情報に強勢が置かれることも扱う。解説は、I played soccer with Ken. の文で、Ken を強く言えば「誰と」、soccer を強く言えば「何を」したのかを強調することになる、という例を挙げている。
(エ) 基本的なイントネーションと (オ) 区切り
イントネーションについて解説は、話者の気持ちや意図、相手との関係などによって変化するが、英語の文には文がもつ基本的なイントネーションがある、としている。中学校では、次のようなことも指導する。
- or を含む選択疑問文では、上昇調と下降調が組み合わされて用いられること
- 平叙文を上昇調で発音して、疑問の意味を表すこと
- 質問された wh- 疑問文を上昇調で発音することで、聞き返しを意味すること
区切りについて解説は、英語はいくつかのまとまりに区切って話したり読んだりされることがあり、特に長い文は文の構成や意味のまとまりを捉えて区切る必要がある、としている。区切りは「理解する場合にも表現する場合にも重要な役割を果たしており」、文を聞くときにも、区切りに注意すると意味を捉えることに役立つ、と書かれている。
中学校では、意味のまとまりを意識しながら区切って話す練習を適宜行い、読んだ内容を表現するよう音読する活動を行う、とされている。イントネーションについても、書かれたものを読む際に基本的なイントネーションに関する知識を使えるように指導する、としている。
小学校から中学校へのつながり
| 音声の事項 | 小学校でしていること → 中学校ですること(解説の要点) |
|---|---|
| 発音 | 文字の名称や基本的な語の発音 → 引き続き指導(綴りと発音の難しさを踏まえて) |
| 音の変化 | 慣れ親しんだ表現の中で基本的な変化 → 慣れていない表現でも知識を使える |
| 強勢 | 強勢があること・リズムに気付く → 品詞による違い・第二強勢・重要な情報の強勢 |
| イントネーション | 下降調・上昇調に気付く・使う → 選択疑問文・聞き返しなど/音読でも使う |
| 区切り | まとまった表現としての気付き → 意味のまとまりで区切って話す・音読する |
このように、音声の5つは小学校で始まり、中学校で範囲と使い方が広がる設計になっている。
家でできること(当社の考え方)
ここからは当社の考え方になる。解説が「音の連続が英語の聞き取りを難しくしている」と書いているとおり、文字で読める英文でも、音で聞くと分からないことがある。家庭では、次のようなことが役に立つと考えている。
- 教科書の本文の音声を、文字を見ずに聞く時間をつくる。聞き取れなかった所を文字で確かめると、どこで音がつながったか・消えたかが分かる。
- 音声のあとについて言うときは、単語ごとに区切らず、聞こえたまとまりのまま言う。
- 音読では、意味のまとまりごとに短く区切って読む。区切りの位置は、教科書の音声を聞いて合わせる。
- 1つの文で、強く言う語を変えて言ってみる。意味の重点がどう変わるかを話し合うと、強勢の役割が分かる。
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