十四
故 事 成 語 ・ 十 四
「完璧」の「璧」は、壁ではありません。
『史記』より
いまのことば
欠けたところがなく、すべてが整っていること。
もとの意味は「璧を傷つけずに完全なまま持ち帰る」。
ことばの景色
「璧」とは、中央に穴のあいた輪の形の玉のこと。土へんの「壁」ではなく、玉へんの字です。趙の国が持っていた「和氏の璧」という名高い宝を、強国・秦の王が「十五の城と交換したい」と申し入れてきました。
使いに立ったのが藺相如です。秦に城を渡す気がないと見抜いた彼は、「璧に傷があります」と言って玉を取り戻し、柱に打ちつけて砕く構えを見せ、ついに璧を無傷のまま趙へ持ち帰りました。ここから「完きままの璧」=完璧が生まれます。
出典は『史記』の廉頗・藺相如列伝。同じ列伝からは「刎頸の交わり」ということばも生まれました。『史記』は四面楚歌や背水の陣の出典でもあります。
考えてみよう
- 問一「完璧」を「完壁」と書かないために、どう覚えますか。
- 問二傷をつけずに守りたいものが、あなたにはありますか。
- 問三強い相手に対して、藺相如は何を武器にしましたか。
答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。
豆知識——「
璧」は
輪の形をした玉。「
傷ひとつなく
仕上げる」
難しさは、
科学の間の
和時計やからくり
人形の
職人技にも
通い
合います。