百
百 人 一 首 ・ 百 番 順徳院
百敷や 古き軒端の しのぶにも
なほあまりある 昔なりけりももしきや ふるきのきばの しのぶにも
なほあまりある むかしなりけり
いまのことば
宮中の、古びた軒の端に生えるしのぶ草を見ても——
偲びきれないほどに、
恋しく思われる昔であることよ。
ことばの景色
百人一首の、最後の一首です。「百敷」は宮中のこと。百枚の札の最後が「百」で始まる——これは偶然でしょうか。それとも定家の仕掛けでしょうか。
「しのぶ」が軒に生えるしのぶ草と、昔を偲ぶの掛詞。十四番の「しのぶもぢずり」でも同じことばが使われていました。最初のほうと最後で、同じことばが響き合う。
作者の順徳院は第八十四代の天皇で、九十九番後鳥羽院の子。一番の天智天皇に始まり、この百番で閉じる——五百年を超える歌の旅が、ここで終わります。そしてあなたは、百枚すべてを開きました。
考えてみよう
- 問一百人一首の百首から、いちばん好きな一首を選んで理由を書いてみましょう。
- 問二一番と百番を並べて読み、始まりと終わりを比べてみましょう。
- 問三自分だけの「十人一首」を選んで、並べる順番も考えてみましょう。
答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。
豆知識——これで百人一首の百首が、すべてそろいました。一番の秋の田から、百番の古い軒端まで。千年のあいだ、かるたとして遊ばれ、声に出して読み継がれてきた百枚。次は、札を手に取って遊んでみてください。