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九十四

百 人 一 首 ・ 九 十 四 番 参議雅経さんぎまさつね

みよし野の 山の秋風 小夜さよ更けて
故郷ふるさと寒く ころもうつなりみよしのの やまのあきかぜ さよふけて
ふるさとさむく ころもうつなり

いまのことば

吉野よしのやま秋風あきかぜき、けてゆく。
ふるみやこさむく——
どこかでころもおとこえてくる。

ことばの景色

ころもうつ」はきぬたおとぬのだいにのせてつちち、つやをしたりやわらかくしたりする作業さぎょうです。あきよるひび生活せいかつおととして、漢詩かんしからがれた題材だいざい)

このうたおとだけでできているといってもよい。秋風あきかぜおと、そしてきぬたおとえるものは、ほとんどかれていません。それでもさむさとさびしさがつたわってきます。

作者さくしゃ飛鳥井雅経あすかいまさつね新古今和歌集しんこきんわかしゅう』の撰者せんじゃ一人ひとり九十七番藤原定家ふじわらのていかとともにえら仕事しごとをしました。蹴鞠けまりいえとしてもられる飛鳥井家あすかいけ) にあたります。

考えてみよう

答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。

豆知識——きぬたおとは、あき代表的だいひょうてきおととして和歌わかによくてきます。いまはくことのないおとですが、洗濯せんたく仕上しあげの道具どうぐおとだったると、千年せんねんまえよるすこちかづきます。
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