冬に流行する
厚生労働省の「ノロウイルスに関するQ&A」には、こう書かれています。
「ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。」
うつってから、出るまでが早い
「潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。通常、これらの症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。」
一日か二日で症状が出て、一日か二日で治まる。期間が短いぶん、家の中で次々にうつることがあります。
アルコールは、手洗いの代わりにならない
ここがいちばん大事なところです。同じQ&Aには、こう書かれています。
「消毒用エタノールによる手指消毒は、石けんと流水を用いた手洗いの代用にはなりません」
そして手洗いについては、こうです。
「手洗いは、手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。」
入口にアルコールが置いてあると、それで済ませたくなります。冬の胃腸炎に関しては、石けんと流水のほうが確実です。
石けんの役目は「はがす」こと
「石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。」
石けんはウイルスを殺す薬ではなく、はがれやすくする道具。だから、泡をつけて終わりではなく、流水で流しきるところまでが手洗いです。
食べるものは、中心まで
「ノロウイルスの汚染のおそれのある二枚貝などの食品の場合は、中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱が望まれます。」
表面ではなく中心部。時間は90秒以上。冬にかきなどを食べるときに、覚えておきたい数字です。
片づけたあとも、残る
「12日以上前にノロウイルスに汚染されたカーペットを通じて、感染が起きた事例も知られており、時間が経っても、患者の吐ぶつ、ふん便やそれらにより汚染された床や手袋などには、感染力のあるウイルスが残っている可能性があります。」
拭いたから終わり、ではありません。処理に使ったものごと片づけるところまでが、ひと続きです。
学校を休む日数は、日数で決まっていない
学校保健安全法施行規則の第十九条には、名前を挙げて日数が示されている感染症があります。インフルエンザの「発症した後五日」、麻しんの「解熱した後三日」などです。感染性胃腸炎の名前は、その側には出てきません。
第三種の感染症については、こう定められています。
「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。」
日数ではなく、状態で決まります。だからこそ、学校と医師に確かめる必要があります。
🧒 子どもの学びに、どう活かす?
「アルコールをつけたから大丈夫」と思っている子は、たくさんいます。石けんが「はがす」道具だという話は、理科の実験のように伝わります。
油汚れが水では落ちないのに洗剤だと落ちる——あの感覚と同じだと言うと、手を洗う時間が少しだけ長くなります。
覚えておきたい、3つのこと
- 冬の胃腸炎に、アルコールは手洗いの代わりにならない
- 石けんはウイルスをはがす道具。流しきるところまでが手洗い
- 二枚貝は中心部が85℃〜90℃で90秒以上
効かせどころが分かっていれば、やることは増えません。順番を変えるだけです。
ご利用にあたって
本記事は公的資料の内容を紹介したものであり、診断・治療を目的とするものではありません。症状の出方や回復には個人差があります。嘔吐や下痢が続く場合、水分がとれない場合は、自己判断せず医師にご相談ください。