国が決めている基準がある
学校の教室には、環境についての基準があります。文部科学省の「学校環境衛生基準」です。令和8年2月に改正された最新版には、換気の基準として次のように書かれています。
「換気の基準として、二酸化炭素は、1500ppm以下であることが望ましい。」
同じ表には、温度は18℃以上28℃以下、相対湿度は30%以上80%以下であることが望ましい、とも示されています。温度や湿度は体で感じられますが、二酸化炭素だけは感じられません。だから基準が置かれているのだと考えると、意味が分かりやすくなります。
外の空気は、およそ400ppm
屋外の空気にふくまれる二酸化炭素は、およそ400ppmです。人が呼吸すると、その部屋の空気には二酸化炭素が加わっていきます。
せまい部屋、人数が多い部屋、窓を閉めきった部屋ほど、たまるのが早くなります。冬はこの3つがそろいやすい季節です。
温度や湿度が快適でも、別の問題
暖房を入れて、加湿器も動かして、温度も湿度もちょうどよい。それでも二酸化炭素は下がりません。暖房と加湿は、空気を入れかえる装置ではないからです。
「快適なのに集中できない」と感じたとき、温度と湿度だけを確かめて終わりにすると、原因にたどりつけません。
感じられないから、時間で決める
二酸化炭素はにおいも色もありません。「空気が悪い」と感じたときには、かなりたまっています。
体の感覚をあてにできないので、時間で決めるのが確実です。1時間に1回、数分だけ窓を開ける。それだけで空気は入れかわります。
寒い時期は、部屋の温度が下がるのがいやで換気をためらいがちです。短い時間でよいので、回数を決めておきます。
開けるなら、二か所
窓を一か所だけ開けても、空気は流れにくいものです。向かい合う二か所を開けると、入口と出口ができて、短い時間で入れかわります。
二か所が無理なら、ドアと窓の組み合わせでもかまいません。台所の換気扇を回しながら窓を開けるのも、同じ効果があります。
座り続けることも重なる
冬は部屋にこもり、座っている時間そのものも長くなります。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」には、座って過ごす時間が長いと、腰痛や肩こり、頭痛につながりやすく、仕事のはかどり方にも影響する可能性があることが示されています。
換気のために立ち上がることは、座り続ける時間を切ることにもなります。ひとつの行動で、二つのことが同時に片づきます。
🧒 子どもの学びに、どう活かす?
子どもが勉強している部屋も、閉めきったままになりがちです。「集中しなさい」と言う前に、窓を開けてみてください。
教室の基準が1500ppm以下と決められていることを伝えると、換気が「先生に言われるからやること」ではなく、自分のためにやることに変わります。
今日から試せる、3つのこと
- 1時間に1回、2分だけ窓を開けると決める
- 向かい合う二か所を開けて、空気の通り道をつくる
- 暖房や加湿では二酸化炭素は減らないことを覚えておく
感じられないものを、時間で管理する。冬の部屋では、それがいちばん確実な方法です。
ご利用にあたって
本記事は一般的な情報の紹介であり、特定の効果を保証するものではありません。空気の感じ方や換気の効き方には個人差があります。頭痛や息苦しさが続く場合は、自己判断せず医師など専門家にご相談ください。