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英検Jr.と英検5級は、どちらも日本英語検定協会のテストだが、しくみがまったく違う。英検Jr.は子ども向けのリスニングだけのテストで、合否はなく、成績は「正答率」で返ってくる。英検5級は「級」の試験で、リーディングとリスニングの一次試験で合否が決まり、合格すれば5級の資格になる。どちらを先に受けるかは、子どもが英語を「聞いて楽しむ」段階か、「文字を読んで答える」段階かで考えるとよい。
出典:日本英語検定協会「英検Jr.の特徴とメリット」/日本英語検定協会「英検Jr. テスト内容」/日本英語検定協会「英検Jr. 受験案内」/日本英語検定協会「5級の過去問・試験内容」/日本英語検定協会「5級の試験内容」/日本英語検定協会「英検CSEスコア」
英検Jr.とは何か
英検Jr.について、日本英語検定協会は次のように説明している。
「英検Jr.は、児童の英語能力の調査・研究を目的に、英語に親しみ、外国の文化を理解することを目標として1994年に開発した児童向けの『育成型ゲーム感覚』のリスニングテストです。」(日本英語検定協会「英検Jr.の特徴とメリット」)
大きな特徴は3つある。1つ目は、オールリスニングのテストであること。音声を聞いて、それに合ったイラストなどに○をつける形で答える。ただし、テストの一部には選択肢が文字で書かれた問題も含まれている。2つ目は、合否のない「育成型」であること。成績は合否ではなく「正答率」で表示され、がんばった児童がさらに上を目指せるよう、進級の目安も通知される。3つ目は、小学校の外国語活動に対応していることである。協会は、小学校での外国語活動の成果検証としても使える、としている。
協会は英検Jr.のねらいを、「『できた!』という喜びを実感させ、それが学習の動機づけになること」と書いている。
英検Jr.の3つのグレード(BRONZE・SILVER・GOLD)
英検Jr.には、子どもの成長にあわせて3つのグレードがある。協会のテスト内容のページは、それぞれの対象を次のように示している。
| グレード | 対象(協会の説明) |
|---|---|
| BRONZE | 小学校低学年を対象としたエントリーテスト |
| SILVER | 小学校中学年程度、BRONZEでの正解率80%以上の児童が対象 |
| GOLD | 小学校高学年程度、SILVERでの正解率80%以上の児童が対象 |
上のグレードに進む目安は、1つ下のグレードで「正解率80%以上」である。使われる語句や表現は英検Jr.独自のシラバスにもとづいていて、ヒントを聞いて答えを推測する、想像力を使う問題もある、と協会は説明している。
いちばん上のGOLDのページには、受験の目安として、英検Jr.の受験ではSILVERを受験して80%以上正解した児童、塾などでの学習では2年〜3年程度、小学校での英語活動では3年半〜5年程度(いずれも50分のレッスンを週1回受けている場合)と書かれている。GOLDの問題は、絵に合う文を選ぶ、問いかけに合う返事を選ぶ、物語を聞いて合う絵を選ぶ、1つの語(文字)を見て合う絵を選ぶ、などの大問で組み立てられている。
英検Jr.の受け方(ペーパー版とオンライン版)
英検Jr.の受け方は2つある。
| 受け方 | 内容(協会の説明) |
|---|---|
| ペーパー版 | 学校や塾、友達とみんなで会場を設定して受ける筆記の形。年3回、グループで設定した会場で実施。申込みはインターネットか郵送(グループ申込のみ) |
| オンライン版 | 自宅のパソコンやタブレットでいつでも受けられる。受験結果もその場で確認できる。申込みはインターネット(個人・グループとも可) |
個人で受ける場合について、協会は「2011年度から英検Jr.公開会場は設置しないことにいたしました。個人で英検Jr.を受験される方は、いつでもどこでも受験できる『英検Jr.オンライン版テスト』をご利用くださいますようお願いいたします。」と案内している。つまり、家庭で1人で受けるならオンライン版になる。オンライン版の個人申込みには、1日の無料体験が用意されている。
ペーパー版の2026年度の日程は、次のとおりである。いずれもグループ会場で、テスト日はグループの申込責任者が指定する。
| 実施回 | テスト日/受付期間(協会必着) |
|---|---|
| 第2回 | 10月31日(土)〜11月8日(日)/受付 8月17日(月)〜10月5日(月) |
| 第3回 | 2027年1月30日(土)〜2月7日(日)/受付 11月30日(月)〜2027年1月12日(火) |
ペーパー版の受験料(税込)はBRONZE 2,500円/SILVER 2,700円/GOLD 2,900円、試験時間はBRONZE 約30分/SILVER 約35分/GOLD 約45分である。隣り合った2つのグレードを同時に受ける「ダブル受験」もできる。答えは問題冊子に直接○を書き込む形で、マークシートではない。オンライン版の料金は、学習とテストの組み合わせや有効期間で変わるため、協会の受験案内でご確認ください。
なお、協会は2013年度から、各グレードとも過去問題を使っており、問題はクローズドになっている。受験者への「全グレードの問題と解答」の配布はしていない。
英検5級とは何か
英検5級について、協会は次のように説明している。
「5級は、英語の学習を始めて最初の目標となる級で、レベルはおよそ中学初級程度とされています。初歩的な英語を理解することができ、それを使って表現することが求められます。」(日本英語検定協会「5級の過去問・試験内容」)
| 項目 | 英検5級(協会の説明) |
|---|---|
| 試験時間 | 一次試験(リーディング25分/リスニング約20分)、スピーキングテスト(約3分) |
| リーディング | 短文の語句空所補充15問、会話文の文空所補充5問、日本文付き短文の語句整序5問 |
| リスニング | 会話の応答文選択10問、会話の内容一致選択5問、イラストの内容一致選択10問(いずれも放送回数2回) |
| 受験会場 | 本会場/準会場 |
| 合格基準スコア | 一次試験 419(英検CSEスコア・リーディングとリスニング) |
スピーキングテストは任意で受けられるテストで、協会は「スピーキングテストは級認定には影響せず、スピーキングテスト単位で合否判定されます」と書いている。5級の級の合否は、リーディングとリスニングの一次試験だけで決まる。
英検Jr.と英検5級の違い
ここまでの協会の説明を、違いがはっきりする点だけ並べる。
| 比べる点 | 英検Jr. / 英検5級 |
|---|---|
| 合否 | 英検Jr.は合否なし(正答率で表示)/5級は合否あり(一次試験で判定) |
| 測る技能 | 英検Jr.はリスニングだけ(一部に文字の選択肢)/5級はリーディングとリスニング(任意でスピーキングテスト) |
| 文字を読む問題 | 英検Jr.はごく一部/5級はリーディング25問すべてが文字を読んで答える問題 |
| 段階 | 英検Jr.はBRONZE・SILVER・GOLDの3グレード/5級は英検の級の最初の1つ |
| 個人の受け方 | 英検Jr.はオンライン版(自宅でいつでも)/5級は本会場か準会場 |
| 結果の形 | 英検Jr.は正答率と進級の目安/5級は合否と英検CSEスコア |
英検Jr.は、協会の説明どおり「英語に親しみ、外国の文化を理解すること」が目標のテストで、点数で選ぶためのものではない。英検5級は、合格すれば英検の級として残る資格試験である。同じ協会のテストでも、役割が違う。
どちらを先に受けるか(当社の考え方)
ここからは当社の考え方になる。協会の説明を踏まえると、選び方の目安は次のように考えている。
- まだ文字(アルファベットや単語)を読むのに慣れていないときは、リスニングだけで答えられる英検Jr.が合っている。合否がないので、「できた」を確かめる使い方ができる。
- 単語を見て意味が分かり、短い英文を読んで答えられるようになってきたら、英検5級が次の目標になる。5級はリーディングの問題が25問ある。
- 英検Jr.のGOLDで高い正答率が続くようになったら、英検5級の過去問を一度見てみる。協会のサイトでは、5級の過去1年(3回分)の問題・リスニング音源・解答が公開されている。
- どちらも「受かる・落ちる」より、子どもが英語を嫌いにならずに続けられるかを先に見る。
士心塾では
士心塾オンライン校では、英検5級から準1級までの単語・例文(10,160語)を、音声つきの教材として公開している。5級の単語も音声で聞けるので、英検Jr.で耳を慣らしたあと、5級の単語を「聞いて、見て、言う」段階に進むときに使えるようにしている。英検の単語と例文の教材はこちら。
