学年が上がるときの、声のかけ方
四月になると、つい出てくる言葉があります。
「もう〇年生なんだから」
励ますつもりで言っています。ただ、この言葉は子どもにどう届いているでしょうか。
「〇年生なんだから」が伝えること
この言い方は、多くの場合、できていないことを指摘する場面で使われます。
子どもが受け取るのは「今の自分では足りない」という評価です。学年が上がったことが、期待の重さとして届きます。
進級はうれしい出来事のはずですが、この言葉が続くと、学年が上がることが負担になります。
学年ではなく、行動を見る
同じことを伝えるにしても、学年を持ち出さずに言えます。
学年ではなく、目の前の行動に向けます。子どもは責められたと感じずに、次の行動に移れます。
できるようになったことを、先に言葉にする
進級の時期は、成長を伝える機会でもあります。
一年前にできなかったことで、今できていることを探します。毎日見ていると気づきにくいので、意識して探す必要があります。
これを言葉にすると、子どもは自分の成長を知ります。子どもは自分が変わったことに気づいていないことが多いのです。
新しい学年への期待は、具体的に
「今年もがんばろうね」は、何をがんばるのかが分かりません。
子ども自身に決めてもらうほうが、行動につながります。
子どもが挙げたことを紙に書いて貼っておくと、途中で見返せます。親が決めた目標より、自分で決めたことのほうが続きます。
下の学年と比べない
きょうだいがいる家庭では、比べる言い方が出やすくなります。
「お兄ちゃんは、この学年のときにはできていた」
きょうだいでも、育つ速さは違います。この比較は、上の子にも下の子にも良い影響がありません。比べるのは、その子の去年の姿だけにします。
不安を言えるようにしておく
進級を楽しみにしている子ばかりではありません。新しい先生、難しくなる勉強、変わる人間関係。不安を持つ子もいます。
「不安なことある?」と聞いても、うまく言えないことがあります。そういうときは、親のほうから話します。
「お父さんも、学年が上がるとき緊張したよ」
親も同じだったと分かると、子どもは自分の気持ちを話しやすくなります。
親として考えたい問い
このページで伝えたいこと
「もう〇年生なんだから」は、励ますつもりでも、できていないことの指摘として届きます。学年ではなく、目の前の行動に向けて話すほうが、子どもは動けます。
進級の時期は、成長を伝える機会です。一年前にできなかったことで今できていることを、言葉にして伝えます。子どもは自分が変わったことに気づいていません。
そして、不安を持つ子もいると知っておくことです。親自身の経験を話すと、子どもも気持ちを話しやすくなります。