受験直前期に、親ができること
年が明けると、受験はすぐそこまで来ています。この時期、多くの保護者が「今、自分に何ができるのか」と考えます。勉強を教えることはできない。かといって、何もしないでいるのも落ち着かない。その気持ちは、子どもを大切に思うからこそ生まれるものです。
直前期の親の役割は、教えることではなく、整えることに移ります。
直前期にできることは、実は多くない
この時期に新しい問題集を増やしても、身につく量には限りがあります。子ども自身も、何をすべきかはおおよそ分かっています。ここで親が新しい課題を持ちこむと、子どもは「今までのやり方ではだめだったのか」と受け取ることがあります。
直前期にできるのは、これまで積み上げてきたものを、当日まで良い状態で運ぶことです。少なく見えるかもしれませんが、これは誰にも代われない役割です。
生活のリズムを、試験の時間に合わせる
入試は朝から始まります。夜遅くまで勉強する習慣のままだと、当日の朝に頭が働きにくくなります。
試験の2週間ほど前から、起きる時間を試験当日に合わせていきます。朝食をとり、試験の開始時刻には机に向かっている、という流れを体に覚えさせます。夜型から朝型への切り替えは、数日ではなじみません。早めに始めるほど、当日が楽になります。
寝る時間、食事の時間、机に向かう時間。この3つが毎日ほぼ同じであれば、体調は整いやすくなります。
体調を守ることが、最大の支援になる
どれだけ準備をしても、当日に発熱すれば力は出せません。この時期の体調管理は、勉強時間と同じくらい大切です。
手洗いを習慣にし、睡眠を削らず、食事を抜かない。人が多い場所へ行く用事は、可能なら家族が代わりに済ませます。家族全員が体調を崩さないよう気をつけることも、子どもを守ることにつながります。
新しい食べ物や、慣れない習い事をこの時期に始めるのは避けます。体に合わなかったときの影響が大きいためです。
声のかけ方を、少しだけ変える
直前期は、子ども自身がいちばん不安を抱えています。そこに「大丈夫なの」「あと何日か分かってる」と重ねると、不安が二重になります。
かける言葉は、結果ではなく、今日の行動に向けます。
「がんばれ」は、すでにがんばっている子には届きにくいことがあります。それよりも、いま目の前にあることを一緒に確かめるほうが、子どもは落ち着きます。
結果の話は、当日より前にしておく
「もし落ちたらどうしよう」という不安は、多くの子が抱えています。この話題を避けていると、子どもは一人で抱えこみます。
直前ではなく、少し前の落ち着いた時期に、一度だけ話しておきます。どの結果になっても家族は変わらないこと、次の道もあること。一度伝えておけば、子どもは安心して当日に向かえます。ただし、何度も繰り返すと「親は結果を心配している」と伝わるため、一度で十分です。
当日は、いつもどおりに送り出す
当日の朝、特別なことはしません。いつもと同じ朝食、いつもと同じ声かけ、いつもと同じ見送り。特別な演出は、かえって緊張を高めます。
持ち物は前日の夜までに一緒に確認し、当日の朝は確認しません。朝に探し物が始まると、それだけで気持ちが乱れます。
送り出したあとは、親も普段どおりに過ごします。試験時間中に家で心配し続けても、子どもには届きません。
親として考えたい問い
このページで伝えたいこと
直前期の親の役割は、新しく何かを足すことではなく、これまで積み上げたものを当日まで良い状態で運ぶことです。生活リズムを整え、体調を守り、行動に目を向けた言葉をかける。この3つは、どの家庭でも今日から始められます。
子どもは、思っている以上に自分で準備を進めています。親が落ち着いていることが、そのまま子どもの落ち着きになります。