十九
故 事 成 語 ・ 十 九
灯りを買えない二人が、それぞれ別の光で本を読んだ。
いまのことば
苦労して学問に励み、成果を上げること。
ことばの景色
『蒙求』という書物に、「孫康映雪、車胤聚蛍」という一句があります。孫康は雪あかりで、車胤は集めた蛍の光で書を読んだ——という話です。車胤のほうは『晋書』にも伝えられています。
『蒙求』は唐の時代に作られた、四文字の句で故事を並べた本で、日本でも古くから子どもの手習いに使われました。この寺子屋が扱っている『実語教』や『童子教』と、同じ流れにある本です。
日本では、卒業の歌「蛍の光」の題にもなりました。千年以上前の中国の四文字が、いまも三月の体育館で歌われているわけです。
考えてみよう
- 問一灯りのない夜に本を読むには、ほかにどんな方法が考えられますか。
- 問二蛍の光で、本当に字が読めるか調べてみましょう。
- 問三苦労して身につけたことを、一つ書いてみましょう。
答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。
豆知識——
蛍がなぜ
光るのかは、
生物の間で
扱っています。
光る理由は、読書のためではありませんでした。