🏃 体を動かすと、頭はどうなる

子どもが「じっとしていられない」のは、悪いこと?

授業中に体をゆらす、足をぶらぶらさせる、すぐ立ち歩く——。「落ち着きがない」と心配になる場面です。けれど、「じっとしている=集中している」とは限りません。少し体を動かしている方が、かえって考えやすい人もいると言われています。

「じっと座っている=良い子」という思い込み

私たちはどこかで、「静かに、まっすぐ座っていられる子=集中できている良い子」という基準を持ちがちです。けれど、姿勢が整っていることと、頭の中が集中していることは、必ずしも同じではありません。

じっと座っていても考えがどこかへ飛んでいることもあれば、体を少し動かしながらの方が話がよく頭に入る、ということもあります。まずは「動いている=悪い」という前提を、いったん横に置いてみることから始めたいところです。

少し動いている方が、集中しやすい人もいる

立って作業する、その場で軽く歩く、ペンや小物を手で触る——。こうした小さな動き(フィジェット)が、かえって注意を保つ助けになる人がいると言われています。

「動き」が頭のスイッチになることがある

体に少し刺激を与え続けることで、ぼんやりしにくくなり、目の前の作業にとどまりやすくなる——そんな感覚を持つ人は少なくありません。合う・合わないには個人差があり、誰にでも当てはまるわけではありませんが、「動かないこと」だけが正解ではない、とは言えそうです。

無理に抑えつけるより、適度に動ける環境を

動きが集中の助けになる子に「とにかくじっとしなさい」と求め続けると、本人は「動きたい気持ちを我慢すること」自体にエネルギーを使ってしまい、肝心の学びに向ける力が減ってしまうこともあります。

ゼロか百かではなく、「迷惑にならない範囲で、適度に動ける余白」を用意するという発想が役に立ちます。立って取り組んでよい時間をつくる、休憩で体を動かす、足を置ける台を使う——。環境を少し変えるだけで、落ち着いて取り組めることがあります。

切り替えのヒント: 「動かない練習」をさせるより、まず「短く区切る」のがおすすめです。数分集中したら一度立つ・伸びをする、を繰り返すと、動きたい気持ちと学びを両立しやすくなります。

大人にも、動きながら考える人がいる

これは子どもだけの話ではありません。考えごとをするときに歩き回る、貧乏ゆすりをしながらの方がアイデアが出る、立ったまま会議をすると話が早い——。大人でも、体を動かすことで思考がまとまるタイプの人がいます。

自分自身を振り返ると、「動いていた方が捗っていた」場面に思い当たる人もいるはずです。そう考えると、子どもの「動きたさ」も、ただの困った癖ではなく、その子なりの考え方のスタイルとして見えてきます。

集中しやすいスタイルは、一人ひとり違う

静かにじっとしている方が集中できる人もいれば、少し動いている方が集中できる人もいます。どちらが優れているということではなく、ただ「違う」というだけです。

大切なのは、ひとつの「正しい座り方・勉強の仕方」に全員を合わせようとするのではなく、その子に合うスタイルを一緒にさがしていくことです。

🧒 子どもの学びに、どう活かす?

「じっとしなさい」と言う前に、まずその子がどんなときに集中できているかを観察してみてください。立っている方が、手を動かしている方が、はかどっているかもしれません。そしてもうひとつ——大人自身も「自分はどう集中しているか」を振り返ってみる。歩きながら考える、メモを取りながら聞く、自分にも「動きながらの集中」があると気づけば、子どもの動きにも、もう少しやさしいまなざしを向けられるはずです。

ご利用にあたって

本記事は一般的な情報の紹介であり、診断や治療を目的とするものではありません。集中の仕方や落ち着き方には個人差・特性があり、ここで述べた内容がすべての子どもに当てはまるわけではありません。発達や行動についての心配がある場合は、自己判断で決めつけず、医師やスクールカウンセラーなどの専門家にご相談ください。

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