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東海道・鳴海宿

糸のくくり方かただけで模様もようが変かわる。その種類しゅるいの多おおさで、いまも世界せかいの先頭せんとうにいる染そめ物ものです。

お子さんと保護者の方へ。東海道・鳴海宿を、いっしょに確かめましょう。

いまのことば

東海道の鳴海宿とは?

鳴海なるみは東海道の四十番目の宿場。
広重が題だいに選えらんだのは「名物めいぶつ有松ありまつ絞しぼ」。

糸のくくり方が、模様になる

有松ありまつ・鳴海なるみ絞しぼりは、木綿もめんの布ぬのを藍あいで染そめるのが代表的だいひょうてきです。染そめる前まえに、糸いとで布ぬのをくくる。くくったところには色いろが入はいらないので、そこが模様もようになる。だから「くくり染ぞめ」とも呼よばれます。描えがくのではなく、色いろを入いれない場所ばしょを作つくる。引ひき算ざんで絵えをかく技術ぎじゅつです。

くくり方かたを変かえれば模様もようが変かわります。その技法ぎほうは最盛期さいせいきに百ひゃく種類しゅるい以上いじょう、いま伝つたわっているものだけでも七十ななじゅう種類しゅるい。この豊ゆたかさは世界せかいでも類るいがないとされ、海外かいがいで「SHIBORI」といえば有松ありまつを指さします。一九七五年には愛知県あいちけんで初はじめて国くにの伝統的工芸品でんとうてきこうげいひんに指定していされました。

なぜ街道かいどうの宿しゅくでこれが育そだったのか。旅人たびびとが土産みやげに買かったからです。軽かるくて、持もち運はこびやすくて、他ほかでは手てに入はいらない。尾張藩おわりはんが特産品とくさんひんとして保護ほごしたこともあり、街道かいどう随一ずいいちの名産品めいさんひんになりました。北斎ほくさいも広重も、その様子ようすを浮世絵うきよえに描えがいています。道みちが産業さんぎょうを運はこぶ——宿場しゅくばのもうひとつの顔かおです。

そして思おもい出だしてほしいのが、国語こくごの間まで読よんだ十四番「陸奥みちのくのしのぶもぢずり」。あれも乱みだれ模様もようの染そめ物ものでした。千年せんねん前まえの歌うたに詠よまれた染そめの技わざが、江戸えどの街道かいどうで商品しょうひんになり、いまも続つづいています。

考えてみよう

  • 問一色いろを入いれない場所ばしょで絵えをかく方法ほうほうを、紙かみと絵えの具ぐで試ためしてみましょう。
  • 問二輪わゴムと布ぬので、自分じぶんだけの模様もようを作つくってみましょう(色いろは食紅しょくべにでも)。
  • 問三土産みやげに選えらばれる品物しなものには、どんな条件じょうけんがあるでしょう。

答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。

豆知識——有松ありまつは、一六〇八年(慶長けいちょう十三年)に東海道の整備せいびにあわせてひらかれた集落しゅうらくで、いまも名古屋市なごやし緑みどり区くに古ふるい町並まちなみが残のこっています。伝統工芸でんとうこうげいでありながら、新あたらしい技法ぎほうを開発かいはつし続つづけてきた珍めずらしい例れいとされます。守まもるだけでなく、増ふやしてきた技わざです。
原文について
この記事が扱っている『東海道五十三次』は、江戸時代の五街道のひとつ。宿場や道中の様子は、当時の道中記や名所図会に記録されています。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『東海道名所図会』で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。

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