はじめに:シャドーイングは「英語を体に入れる」学習
英語を聞くだけではなく、声に出して追いかける
シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら、少し遅れてその音を真似して発話する学習法です。
ただ英文を読むのではなく、英語の音、リズム、イントネーション、スピードをそのまま追いかけていきます。
名前の通り、影のように音声を追いかける練習です。
音声が流れたあとに、少し遅れて同じように言ってみる。
この繰り返しによって、英語を「文字」だけではなく「音」として体に入れていきます。
士心塾のシャドーイングは小学生・中学生の英語指導の中心的な学習として紹介されています。小学生でも中学生のようにシャドーイングトレーニングを行い、リスニング・スピーキングにつなげる構成が示されています。
小学生から取り入れる意味
英語は、文字だけで学ぶと苦しくなりやすい教科です。
単語の意味は覚えている。
文法問題は解ける。
しかし、音声になると聞き取れない。
声に出そうとすると口が動かない。
こうした状態は、英語を「音の言語」として扱う経験が少ないと起こりやすくなります。
小学生のうちからシャドーイングに触れる意味は、完璧な発音を身につけることだけではありません。
英語を聞くこと、真似すること、声に出すことへの抵抗を減らすことにあります。
英語を口に出すことが当たり前になれば、英語は「テストのための暗記」だけではなく、「自分で使う言葉」に近づいていきます。
シャドーイングで育つ3つの力
1. リスニング力
シャドーイングで最も分かりやすく育つのは、リスニング力です。
英語の音声を何度も聞き、真似しようとすると、自然と音の細かい違いに注意が向きます。
単語と単語がつながる音。
日本語にはない発音。
文全体のリズム。
強く読まれる部分と弱く読まれる部分。
こうした要素は、文字だけを見ていても身につきにくいものです。
シャドーイングでは、音を聞いてすぐに再現しようとするため、英語の音を細かく捉える力が育ちます。
英検準2級の壁はリスニングで決まる。3級までは勢いで合格できても、準2級からは「本物の聴く力」が合否を分けるという考え方です。
2. 英語の語順で理解する力
シャドーイングは、英語を前から理解する練習にもなります。
英語の音声は止まりません。
聞きながら、日本語に一語ずつ訳している時間はありません。
そのため、シャドーイングを続けると、英語の語順のまま意味を追う感覚が少しずつ育ちます。
たとえば、
“I went to the park with my friends yesterday.”
という文を聞いたときに、
私は行った/公園に/友達と/昨日
という流れで、前から意味を取る感覚です。
これは、リスニングだけでなく長文読解にもつながります。
英文を読むときに、戻り読みばかりしていると時間がかかります。
しかし、英語の語順に慣れていると、文の流れを前から追いやすくなります。
3. 声に出す力
シャドーイングは、英語を声に出す練習でもあります。
英語を話すことに慣れていない子どもは、簡単な英文でも口に出すことに抵抗を感じる場合があります。
しかし、シャドーイングでは、最初から自分で文を考える必要はありません。
まずは音声を真似するだけです。
だから、英語を話す第一歩として取り入れやすいのです。
士心塾のコース内容として「シャドーイング(リスニング・スピーキング)」が示され、さらにシャドーイング連動筆記問題によってリーディング・ライティングにも接続する構成が紹介されています。
なぜ英検学習にシャドーイングが必要なのか
英検は級が上がるほど「音の力」が必要になる
英検5級や4級では、基本単語や短い会話文が中心です。
この段階では、単語暗記や問題演習だけでもある程度進めることがあります。
しかし、3級、準2級、2級へ進むにつれて、必要な力は変わります。
長い英文を聞き取る力。
会話の流れを理解する力。
まとまった英文を前から処理する力。
こうした力が必要になります。
士心塾が小学生で英検3級、中学生で英検2級を目指す学習設計を持ち、シャドーイングを重要な学習として導入していることが示されています。
英検対策というと、過去問や単語帳のイメージが強いかもしれません。
もちろん、それらも必要です。
しかし、音の土台がないまま級だけを上げようとすると、途中でリスニングが壁になります。
準2級以降で差が出る理由
準2級以降では、英文の長さも内容も難しくなります。
一つひとつの単語を知っていても、音声として流れたときに聞き取れなければ、正答につながりません。
ここで重要になるのが、英語の音を聞いた瞬間に処理する力です。
シャドーイングは、この処理力を育てるための練習です。
聞く。
真似する。
口に出す。
意味を確認する。
もう一度聞く。
この繰り返しによって、英語が少しずつ「知識」から「使える感覚」へ変わっていきます。
小学生にシャドーイングをさせるときの注意点
最初から完璧を求めない
小学生がシャドーイングを始めると、最初はうまく言えないことが多いです。
音声が速く感じる。
途中で止まる。
発音が違う。
意味が分からない。
これは普通です。
むしろ、最初からきれいに言える必要はありません。
大切なのは、子どもが英語を嫌いにならないことです。
間違いを細かく指摘しすぎると、声に出すこと自体を避けるようになります。
最初は、音の一部だけ真似できれば十分です。
リズムだけでもよい。
最後の単語だけでもよい。
少しずつ真似できる部分を増やしていくことが大切です。
意味確認とセットにする
シャドーイングは、音だけを真似すればよいわけではありません。
意味がまったく分からないまま繰り返しても、英語力にはつながりにくくなります。
そのため、短い英文であれば、
音声を聞く
日本語で意味を確認する
もう一度聞く
声に出して真似する
最後に英文を見て確認する
という流れが効果的です。
先に文字を見すぎると、音よりもスペルに意識が向きます。
反対に、意味確認がないと、ただの音まねで終わります。
音と意味をつなげることが、シャドーイングの大切なポイントです。
子どもの自己肯定感を守る
シャドーイングも同じです。
すぐに上達する子もいれば、時間がかかる子もいます。
声に出すことが好きな子もいれば、恥ずかしがる子もいます。
だからこそ、全員を同じペースで比べる必要はありません。
その子なりに、昨日より少し聞けた。
少し声が出た。
少しリズムが合った。
その変化を見つけることが、継続につながります。
シャドーイングとプログラミングの関係
プログラミングは英語への入口の一つ
士心塾の英語の停滞期を支える学び方として、プログラミングを適宜導入していることが紹介されています。小学生で英検3級・準2級を目指す過程では停滞期があり、その時期に子どもの心のゆとりを作るために活用しているという説明です。
ここで大切なのは、プログラミングは「推している科目」そのものではないということです。
英語への入口を一つ用意している、という理解が正確です。
子どもによって、英語に向かう入口は違います。
プログラミングが好きな子もいれば、絵が好きな子、物語が好きな子、算数が好きな子、音楽が好きな子もいます。
大切なのは、その子の得意や興味を否定せず、そこから英語につなげることです。
得意なことから英語につなげる寺子屋の思想
この考え方は、寺子屋 by CCN の思想にもつながります。
各分野の専門家が、自分の得意なことを入口にして子どもたちと関わる。
その入口から、英語や学びの世界へつなげていく。
すべての子どもが同じ道から英語に入る必要はありません。
CCN CO., LTD.が掲げるミッションは、
「すべての人が『自分の個性』を、活かせる社会をつくる。」
というものです。
シャドーイングは英語の土台を作る学習です。
一方で、その学習を継続するには、子どもの個性や興味を大切にする環境が必要です。
英語の力と、子どもの個性。
その両方をつなげていくことが、士心塾・CCN ENGLISH・寺子屋 by CCN の学びの方向性です。
まとめ:シャドーイングは、英語を自信に変える土台
英語を聞ける子は、英語を怖がりにくい
シャドーイングは、英語音声を聞き、少し遅れて真似する学習です。
リスニング力、英語の語順で理解する力、声に出す力を育てることができます。
英検学習においても、級が上がるほど音の力は重要になります。
特に準2級以降では、リスニングの土台が合否に大きく関わります。
小学生のうちからシャドーイングに触れておくことは、数年後の英語学習を支える大きな財産になります。
個性を守りながら、英語の力を育てる
ただし、シャドーイングは根性で続けるものではありません。
子どものペースに合わせ、自己肯定感を守りながら進めることが大切です。
うまく言えない時期があってもよい。
声が小さい日があってもよい。
英語以外の好きなことを入口にしてもよい。
大切なのは、その子の個性を活かしながら、英語を自信に変えていくことです。
士心塾は、シャドーイングを通じて、英語を「難しい勉強」ではなく、「自分の可能性を広げる力」として育てていきます。

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