五
養 生 訓 ・ 五
冬は、天地の気が閉じる季節。益軒は、冬を「がんばる季節」ではなく「蓄える季節」と考えました。
いまのことば
冬は早く休み、体を冷やさず、汗をかきすぎない。
春に伸びるための「蓄えの季節」——それが養生訓の冬。
冬のリズム
養生訓の考え方では、季節ごとに体の過ごし方が変わります。冬は「閉蔵(へいぞう)」——閉じて蓄える季節。夜は早めに休み、朝は日の出とともにゆっくり起き、体の熱と力を春のために蓄える、とされます。
気をつけることは三つ。体を冷やさない(とくに足もとと背中)。湯冷めに注意——温まったあとに急に冷えると、体がこたえます。そして意外にも厚着しすぎない・汗をかきすぎない。汗は体の熱を奪うので、冬の大汗はかえって冷えのもと、というのが益軒の観察です。
受験生の冬にも通じます。追い込みの季節こそ、睡眠を削らず、足もとを温かく。冬にためた力が、春に出るのです。
考えてみよう
- 問一冬の自分の生活は「閉じて蓄える」になっていますか。夜ふかし度をふり返ってみましょう。
- 問二「厚着しすぎるとかえって冷える」——体験と合いますか。仕組みを考えてみましょう。
- 問三あなたの「冬の養生三か条」を作ってみましょう。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——「早寝遅起き」は冬だけの特別ルールで、養生訓の元になった中国の古典医学の季節論から来ています。日照時間に合わせて睡眠を変える——体内時計の科学と響き合う、千年の知恵です。