養生訓・四
益軒は、体の養生よりも先に「心の養生」を置きました。怒り・心配・くよくよは、どれも「気」をすり減らすからです。
お子さんと保護者の方へ。いっしょに読んで、確かめましょう。
いまのことば
養生訓の怒りは気を減らすとは?
怒りと憂いは、体の元気そのものを削る。
心を平らかに保つことが、いちばんの養生——益軒の結論。
心を平らかに保つことが、いちばんの養生——益軒の結論。
心のほうが先
『養生訓』のいちばん深いところは、食事でも運動でもなく、「心は身の主(あるじ)」という一句です。怒れば気が上がり、心配すれば気がふさがり、悲しめば気が消える——感情が体を動かすことを、益軒は自分の観察で見抜いていました。
現代の言葉にすれば、ストレスと体調の関係です。怒った日の夜は眠りが浅い。心配ごとがあるとお腹が痛くなる。300年前の観察を、あなたの体も知っています。
では、どうするか。益軒の処方は、怒りをすぐに出さないこと、済んだことをくよくよ悔やまないこと、そして——楽しむこと。三楽(第一編)に戻ってくるのです。心の養生の薬は、日々の小さな楽しみでした。
考えてみよう
- 問一怒った日・心配な日、体にどんな変化が出ますか。自分の「心と体のつながり」を観察してみましょう。
- 問二怒りをすぐ出さない工夫(数を数える・その場を離れる……)で、効いたものはありますか。
- 問三あなたの「気を増やす小さな楽しみ」を三つ、書き出してみましょう。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——「病は気から」ということわざは、この「気」の考え方から来ています。現代医学でも、強いストレスが免疫や睡眠に影響することは広く研究されています。ことわざが先で、科学があとから追いついた形です。
原文について
この記事が扱っている『養生訓』は、貝原益軒が1713年(正徳3年)に著した健康法の書。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『養生訓』で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。
この記事が扱っている『養生訓』は、貝原益軒が1713年(正徳3年)に著した健康法の書。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『養生訓』で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。
