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養生訓・二

「もう少し食べたいな」で箸を置く。養生訓ようじょうくんの食の教えは、この一点に集約されます。

いまのことば

養生訓の腹八分とは?

食事は満腹まで食べず、八分ほどでやめる。
よく噛み、旬のものを、感謝して——養生訓ようじょうくんの食卓の作法。

八分目の科学

「珍しくおいしいものに出会っても、八九分でやめておきなさい」——益軒の食の教えの核心が、いわゆる腹八分はらはちぶです。満腹まで食べると胃腸が疲れ、眠くなり、体が重くなる。童子教どうじきょうの「食過ぐれば学文に倦む」と同じ観察です。

満腹感は、食べ始めてから脳に届くまで時間差があります。「もう少し」で止めてしばらくすると、ちょうどよく満ちてくる——現代の生理学が、益軒の経験則を説明します。

よく噛むこともくり返し説かれます。噛むほど消化が楽になり、満腹感も早く来る。一口30回、まず一食だけ試してみてください。

考えてみよう

答えはひとつではありません。体を動かしてから考えると、また違って見えてきます。

豆知識——「腹八分はらはちぶに医者いらず」ということわざは、養生訓ようじょうくんの教えが庶民に広まったものといわれます。近年の研究でも、食べすぎないことと健康長寿の関係は繰り返し報告されています。
原文について
この記事が扱っている『養生訓』は、貝原益軒が1713年(正徳3年)に著した健康法の書。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『養生訓』で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。
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