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養 生 訓 ・ 一

84歳まで生きた江戸の学者・貝原益軒が、最晩年に書いた健康の本。その教えの根本は「がまん」ではなく「楽しむ」でした。

いまのことば

『養生訓』の心は、健康それ自体を人生の楽しみとすること。
体をそこなう欲を控えるのは、より深く楽しむため。

楽しみとしての健康

『養生訓』(1713年)は、儒学者で本草学者の貝原益軒が83歳のときに著した健康書です。当時としては驚異的な長寿を、自分の体で実証しての執筆でした。

益軒は「人生の三楽」を挙げます。道を行って善を楽しむ。病なくして快く楽しむ。長生きして長く楽しむ。健康は目的ではなく、楽しむための土台——現代の健康観そのものです。

そして養生の敵は「欲にまかせること」。食べすぎ、夜ふかし、怒り。がまんではなく、「そのほうが結局、気持ちよく暮らせるから」控える。300年前の健康書が、説教でなく実利で語るのです。

考えてみよう

答えはひとつではありません。体を動かしてから考えると、また違って見えてきます。

豆知識——益軒は『大和本草』(生物の間で登場)の著者でもあります。植物を調べた目で人の体を見た——江戸の学問は、間と間がつながっています。
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