八
遊 び の 体 育 ・ 八
走って、風をつかまえて、糸を送る。正月の空に揚がる凧は、竹とんぼで学んだ「揚力」が、糸の先で働いています。
いまのことば
凧は、風を斜めの面で受けて揚力を生む。
揚げるコツは走る速さより、風を読むことと糸さばき。
空をつかむ
凧が揚がるのは、斜めに構えた面が風を下へそらし、その反作用で押し上げられるから。竹とんぼの羽と同じ揚力です。だから風のない日にいくら走っても揚がらず、良い風の日は立ったまま揚がります。
コツは糸さばき。凧が立ち上がる瞬間に糸を少し引いて面の角度を立て、揚がり始めたら送り出す。引くと揚がり、ゆるめると下がる——手もとの数センチが、空の数メートルを動かします。
江戸では凧揚げが大流行し、揚げすぎを禁じるお触れが出たほど。長崎の「ハタ」や新潟・白根の大凧合戦など、糸を切り合う勇壮な祭りも各地に伝わっています。
考えてみよう
- 問一ビニール袋と竹ひごで簡単な凧を作り、しっぽの長さで安定がどう変わるか試しましょう。
- 問二「引くと揚がる」のはなぜか、揚力の面の角度で説明してみましょう。
- 問三電線のない凧揚げ向きの場所を、家のまわりで探しておきましょう。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——凧は江戸時代、「いかのぼり」とも呼ばれていました。足(しっぽ)はやじろべえと同じ、重心を下げて姿勢を安定させる仕組み。よく回って落ちる凧は、足を長くすると直ることが多いのです。