九
遊 び の 体 育 ・ 九
隠れる場所を選ぶ頭脳戦と、片足で正確に跳ぶバランス勝負。道具のいらない路地の遊びは、体と頭を同時に使わせます。
いまのことば
かくれんぼは空間の読み合い、石けりは片足の正確なジャンプ。
どちらも、頭で考えながら体を動かす「二刀流」の遊び。
考える体
かくれんぼの上手な子は、走るのが速い子ではなく、「鬼の目線」で場所を選べる子です。鬼はどこから探し始めるか。どの影が死角か。相手の視点で空間を読む力——これは図形問題や地図読みと同じ頭の使い方です。
石けり(けんぱ)は、地面に描いたマスを片足・両足で跳び分け、石を蹴り進める遊び。片足での正確な着地とキックは、バランスと足首のコントロールの訓練そのもの。四股(第五章)の遊び版です。
どちらも必要なのは、地面とチョークと友だちだけ。江戸の路地から現代の公園まで、設備ゼロで続いてきた「考える体育」です。
考えてみよう
- 問一かくれんぼで「見つかりにくい場所」の条件を、三つ挙げてみましょう。
- 問二けんぱのコースを自分で設計して、難易度を調整してみましょう。
- 問三「頭を使う運動」と「体だけの運動」。上達の仕方はどう違うでしょう。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——かくれんぼの「もういいかい」「まあだだよ」のやりとりは、江戸の子どもの遊び唄から続くといわれます。世界中によく似た遊びがあり、英語では hide-and-seek。隠れて探す楽しさは、人類共通です。