七
遊 び の 体 育 ・ 七
相手の札を風圧でひっくり返す。相手のコマを弾き出す。めんことベーゴマは、江戸から続く路地の「対戦ゲーム」でした。
いまのことば
めんこは風圧と角度、ベーゴマは回転の勢いとひもの巻きが勝負。
どちらも、体の使い方がそのまま強さになる対戦遊び。
勝ちの物理
めんこは、自分の札を地面に叩きつけ、その風圧と衝撃で相手の札を裏返す遊び。強く投げるだけでは勝てません。低く、鋭く、相手の札のふちを狙う——腕のしなりと手首のスナップ、腰の回転まで使う全身運動です。
ベーゴマは、小さな鉄のコマにひもを巻いて放ち、樽にはった布の上で弾き合う遊び。ひもの巻きの固さ、放つ角度、回転の勢い。回転が強いコマほど姿勢が安定するのは、こまの章で見たジャイロ効果そのものです。
負けたら札やコマを取られるルールもあった真剣勝負。強くなるために技を研究し、年上から技を盗む——路地は、体の使い方の道場でした。
考えてみよう
- 問一めんこ(厚紙で自作できます)で、どの投げ方がいちばん風圧が出るか試しましょう。
- 問二「負けたら取られる」ルールの緊張感は、遊びに何をもたらすでしょう。
- 問三現代の対戦ゲームと路地の対戦遊び。共通点と違いを挙げてみましょう。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——ベーゴマの名は「バイ貝」を回した「バイゴマ」がなまったものといわれます。現代の改造コマ玩具のご先祖さま。埼玉県川口の鋳物職人が作るベーゴマは、いまも現役です。