三
遊 び の 体 育 ・ 三
走る、止まる、切り返す、フェイントをかける、瞬時に判断する——鬼ごっこには、あらゆるスポーツの基本動作が全部入っています。
いまのことば
鬼ごっこは、ダッシュ・急停止・方向転換・状況判断を全部含む全身運動。
スポーツ科学の目で見ると、最強のトレーニングになっている。
遊びの運動科学
まっすぐ走るだけの運動と違い、鬼ごっこは予測できない動きの連続です。追う相手を見て進路を予測し、急停止し、逆を突く。この「敏捷性(アジリティ)」は、サッカーでもバスケでも勝負を分ける力で、専門のトレーニングメニューがあるほどです。
しかも鬼ごっこは、疲れたら手を抜き、回復したら全力を出す——ダッシュと休みが自然に混ざるインターバル運動。遊んでいるだけで、体力づくりの理にかなった構成になっています。
氷鬼、高鬼、けいどろ。ルールが変わると使う力も変わります。江戸の子も、あなたも、同じ遊びで体を作ってきました。道具ゼロ、費用ゼロ、効果は絶大です。
考えてみよう
- 問一鬼ごっこの上手な子は、何が上手なのか観察して言葉にしてみましょう。
- 問二氷鬼と高鬼とけいどろ。それぞれ「使う力」はどう違いますか。
- 問三大人も本気の鬼ごっこをしたら、どうなるでしょう。家族でやってみませんか。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——「けいどろ(どろけい)」は地域で呼び名が逆になる、日本でいちばん名前がもめる遊びかもしれません。鬼ごっこ系の遊びは世界中にあり、英語では tag。人類共通の「追いかけっこ本能」です。