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江戸の生きもの学・九

熊、穴にこもる。雪の下、麦のびる。ふきのはな、さく——冬の候の名前は、止まって見える季節の中の、小さな動きを見つけています。

お子さんと保護者の方へ。江戸の生きもの学・九を、いっしょに確かめましょう。

いまのことば

冬の七十二候とは?

冬の七十二候しちじゅうにこうは、冬ごもりと、雪の下の準備の記録。
止まって見える冬にも、生きものの時計は動いている。

冬のみつけかた

冬の候には、こんな名前が並びます。熊蟄穴(くまあなにこもる)——熊が冬ごもりに入るころ。雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)——雪の下で麦が芽を伸ばすころ。款冬華(ふきのはなさく)——凍った地面にふきのとうが顔を出すころ。

どれも「一時停止」ではなく「水面下の準備」を見ています。雪の下の麦は、雪の布団に守られて着実に育つ。冬芽(生物の間・第七候補の観察テーマ)は、春の葉と花をすでに用意しています。

寒い日の散歩で、冬芽・ふきのとう・霜柱を探してみてください。止まった季節が、準備の季節に見えてきたら——あなたの目は、七十二候しちじゅうにこうの目です。

考えてみよう

  • 問一今日がどの候か調べて、名前どおりのものを外で探してみましょう。
  • 問二「止まって見えるが、準備している」ものは、生きもの以外にもありますか(あなた自身は?)。
  • 問三自分の町の「冬の候」を三つ、オリジナルで作ってみましょう。

答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。

豆知識——雪は断熱材です。外気が氷点下でも、積もった雪の下は0度前後に保たれ、麦や虫たちを守ります。「雪下出麦」の四文字には、雪国の科学がまるごと入っています。
この記事について
この記事は、江戸時代の道具・技術・遊び・くらしを紹介したものです。もとになる一冊の古典があるわけではありません。
七十二候については、国立天文台 暦計算室「暦Wiki/季節/七十二候」によります。
本文は株式会社士心が作成したものです。年号や数値は、読みやすさのために概数で書いている箇所があります。

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