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江戸の生きもの学・七

商家の軒先にツバメが巣をかけると、店の人は喜んで見守りました。「ツバメの来る店は繁盛する」——鳥と人の、ふしぎな同居の物語です。

お子さんと保護者の方へ。江戸の生きもの学・七を、いっしょに確かめましょう。

いまのことば

ツバメとは?

ツバメはあえて人のそばに巣を作り、天敵から身を守る。
人は害虫を食べるツバメを歓迎した。持ちつ持たれつの千年。

同居の生態学

ツバメが人の軒先を選ぶのは、カラスやヘビが人を恐れて近寄らないから。人間を用心棒にする作戦です。いっぽう人にとってツバメは、田畑の虫を大量に食べてくれる益鳥。江戸の商家は「ツバメが選んだ店」を誇り、巣を落とすなど、とんでもないことでした。

春に来て、秋に南へ帰る渡り鳥でもあります。同じつがいが同じ巣に戻ることもある——去年のツバメかもしれないと思うと、軒先の巣が違って見えます。

生きものどうしが互いに利用し合って共に暮らす。教科書の「共生」が、いちばん身近に観察できる相手です。

考えてみよう

  • 問一近所でツバメの巣を探してみましょう。どんな場所が選ばれていますか。
  • 問二ツバメと人、どちらがより得をしていると思いますか。
  • 問三人のそばで暮らす生きものを、ほかにも挙げてみましょう(スズメ、ネコ……その関係は?)。

答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。

豆知識——ツバメは1日に数百匹の虫を捕るともいわれる、天然の害虫駆除係。近年は巣を作れる軒先が減り、数が減少傾向という調査もあります。江戸の「同居の知恵」は、いま試されています。
この記事について
この記事は、江戸時代の道具・技術・遊び・くらしを紹介したものです。もとになる一冊の古典があるわけではありません。
巣をかける場所と人の受けとめ方の調査は、環境省 生物多様性センター「ツバメ類はどんな場所にどんな巣を作るの?」、環境省「身近な生きもの調査『ツバメの巣調査』中間とりまとめ」によります。
本文は株式会社士心が作成したものです。年号や数値は、読みやすさのために概数で書いている箇所があります。

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