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江 戸 の 生 き も の 学 ・ 七

商家の軒先にツバメが巣をかけると、店の人は喜んで見守りました。「ツバメの来る店は繁盛する」——鳥と人の、ふしぎな同居の物語です。

いまのことば

ツバメはあえて人のそばに巣を作り、天敵から身を守る。
人は害虫を食べるツバメを歓迎した。持ちつ持たれつの千年。

同居の生態学

ツバメが人の軒先を選ぶのは、カラスやヘビが人を恐れて近寄らないから。人間を用心棒にする作戦です。いっぽう人にとってツバメは、田畑の虫を大量に食べてくれる益鳥。江戸の商家は「ツバメが選んだ店」を誇り、巣を落とすなど、とんでもないことでした。

春に来て、秋に南へ帰る渡り鳥でもあります。同じつがいが同じ巣に戻ることもある——去年のツバメかもしれないと思うと、軒先の巣が違って見えます。

生きものどうしが互いに利用し合って共に暮らす。教科書の「共生」が、いちばん身近に観察できる相手です。

考えてみよう

答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。

豆知識——ツバメは1日に数百匹の虫を捕るともいわれる、天然の害虫駆除係。近年は巣を作れる軒先が減り、数が減少傾向という調査もあります。江戸の「同居の知恵」は、いま試されています。
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